50 / 69

第50話

-鵺-  能登島礁太は肉便器、能登島礁太は肉便器、能登島礁太は肉便器、能登島礁太は肉便器、能登島礁太は肉便器。選択(ドラッグ)複製貼付(コピペ)、複製貼付、複製貼付。  僕は文字の羅列を見てペニスを扱きました。能登島先輩は淫婦です。売女(ばいた)です。魚臭い肉壺(マンコ)です。一心不乱にペニスを扱きました。部員(みんな)から輪姦(マワ)されて精液便所にされる姿がよく似合います。何故精液は白く、能登島先輩は小麦色なのか。すべてこのためです。日によく焼けた肌も傷んだ髪も、キャラメルみたいな大きな目も、黄桃(もも)みたいな唇も。痩せこけた女みたいなシルエットも、拳みたいに小さな尻も。すべて男を誑かして、抱かれて、生臭い子種(たね)を受け止めるためです。欲望の苗床です。能登島先輩はもう逃げられないくらい強い力で抱き込まれて、体重を乗せられて、痩せた腹を突かれて、嫌がっても腸内(なか)出しされるんです、何度も。可哀想に。桃森先輩を誘惑する甘い声がイヤホンから聞こえました。桃森先輩じゃなくてもいいくせに。桃森先輩のペニスは大きそうだから孔門(あそこ)が疼いちゃうんでしょうね。付き合っているとかいう美潮さんでは物足らないのでしょう。あの人は顔は綺麗ですが、やはり刺激がない。女性も、孕まされたい男と結婚したい男の系統は違うらしいのです。遺伝子的に強そうな威圧的で支配的なオスと、守ってくれそうな穏和なオス。だから少し野生的な雰囲気のある桃森先輩と交合(まぐわ)いたいのも納得です。動物的で素敵だな。男が感じるのはおかしい無駄な乳首を触られて、感じてもいないくせに早く犯されたくて甘い声で誘っているんですね。ド淫乱な能登島先輩、素敵です。でも誘っちゃってるのは桃森先輩だけじゃないんですよ。能登島先輩の淫らな声が止まり、目を瞑ってその続きを妄想しました。僕はペニスを扱きました。気持ちが良い。能登島先輩を使った自涜ほど気持ちの良いものはこの世にありませんでした。相手を気遣うような女性とのセックスではまったく物足りなくなっていたのです。自分の手の残像を眺め、凌辱される能登島先輩の口の中を想像しました。普段から大きく口を開けて笑うものですから、ピンク色の粘膜を僕は見せ付けられるのです。たとえ健全にスポーツに勤しむ間であっても。そこは温かく柔らかそうでした。白い歯までもが魅惑的なのです。よく持ち上がる頬は日に焼けても柔肌のようで荒れた様子がなく、そこに僕は何度このペニスを突き入れたくなったことでしょう。僕のでなくても良い。乱暴に不本意に猛々しく脈を打つペニスを頬張る姿が見たい。しかしながらいくら部室にカメラを仕掛けても一向に桃森先輩は能登島先輩を抱かず、霜霧キャプテンも恋慕のまま能登島先輩を強姦することもなく、伏木(ふしき)部長もあの声で欲情しているくせに能登島先輩にセクシャルハラスメントすらしない腰抜けぶりでした。ただ能登島先輩のロッカーに捌け口のないペニスを服越しに擦り付けるのが精々といった有様で、突然現れた美潮さんに怖気(おじけ)付いてさえいたのです。絶望でした。霜霧キャプテンも伏木部長もとにかく異性から好かれます。しかしその中身は非常に奥手だったのです。僕は特にこの2人の先輩に注目して能登島先輩を妄想で犯しました。まるで代わりに僕がこの情けない2人の鬱憤を晴らすように。沢山種付けされてもう開き放しの能登島先輩のアナルに繋がりたくて仕方がなかったペニスが入るのです。こんな時でもこの頼りない2人の先輩はすでに他の種が溢れた能登島先輩の穴しか使えないです。能登島先輩はとにかくペニスなら誰のでも構わないので高らかに甘く鳴きます。ピストンが始まって、僕も能登島先輩の口の中で腰を振ります。機嫌を窺うように見上げる目に僕のerectionは破裂しました。漫画表現のような量の精が迸ります。能登島先輩は利き精液が出来るほどそれに慣れているくせに僕の濃厚な種汁の生臭さに眉を顰め、その小さな口は飲み込もうにも飲み切れず、聖女のvaginaに似た唇から強い粘性を帯びて落ちていきました。現実の僕のペニスも絶頂に達しました。激しい快感に声も漏れてしまいました。女の腹の中に出せなかった僕の数多の子供は結合相手を渇望するように壁に貼り付けた能登島先輩の写真にかかりました。どこか遠くを見ている能登島先輩でした。欲深い僕の子供たちはそのまま下に流れ、軽そうな見た目の同級生の女子と話す能登島先輩を汚すのです。その横にある水を飲み喉を晒す能登島先輩に僕のペニスはまた勢いづきました。ただその斜めに下に美潮さんが写っていて、もうこの頃から能登島先輩と付き合ってるんじゃないかと思うと途端にもう一度する気が削がれてしまいます。そろそろ新しい能登島先輩に貼り替えようと思っていたところだったので僕はペニスを適当に処理すると壁から画鋲を抜き、新しい能登島先輩の写真を貼りました。桃森先輩が写り込んでいるのが癪でしたが能登島先輩の写りがいいので気に入っている一枚です。画鋲の穴の空いた写真は簡単に捨てられず、僕の子供たちで濡れた写真すらも能登島先輩が写っているのなら捨てることも出来ませんでしたから何度も口付けて、能登島先輩だけを切り取って、能登島先輩の切り抜きで絵を作るのです。僕はそれに包まれて死ぬのがいい。 「そうですよね、能登島先輩」  能登島先輩は何も言ってはくれませんが、部活でよく面倒を看てくださるので僕はそれで十分です。このままあと100年先には、写真ではなく本物そっくりの4D写真が撮れるんじゃないかと思うと、あと100年も生きられないかも知れない身を恨みます。僕が生きていたって能登島先輩は100年先には生きていないかも知れません。もう腰の曲がった老人になっても僕は能登島先輩を撮り続けますよ。妄姦(おか)し続けます。能登島先輩が僕を忘れても、僕の中で能登島先輩が能登島先輩である限り。 「そうですよね?能登島先輩」  壁に寄りかかり、鼻先にある動かない能登島先輩に口付けました。能登島先輩が振り返っているところでした。白いシャツはまるでこの世に舞い降りた天使のようでした。ですが天使とは醜いものです。むしろ能登島先輩の美しくさ、可憐さ、清らかさは悪魔の性質(それ)といえるでしょう。こんなものは写真()に過ぎません。本物の能登島先輩の魅力には1京分の1も及びません。能登島先輩。この言葉を呟くだけで僕は昇天しそうでした。やることを思い出してキーボードを触ってから新しく貼る写真を吟味しました。プリンターが動き始めます。能登島先輩の写った写真はどれも素晴らしく選べませんでしたが、おにぎりを食べる写真はあまりにもこの世界の平和を象徴し、これは額縁に入れるべき一枚だと思い、画鋲の穴を空けることができませんでした。150枚近くある新しい写真から、同級生らしき女子と肩を組みこの世を救わんばかりの笑みを浮かべるものと、痩せた背中を無防備に晒し着替えているもの、桃森先輩に頭を撫でらているもの、靴紐を結ぶために屈んで胸元が見えそうになっているものを選びました。選考に漏れたものもどれも素敵でした。 「素敵です、能登島先輩…」  能登島先輩の頬をなぞりました。指紋が付きました。僕の手垢で汚される能登島先輩に堪らなくなって夢中で接吻をしました。話し掛ければ話し掛けるだけ能登島先輩は美しく、清らかになります。肉便器であることなんて少しも思わせずに。プリンターが次々と紙を吐きました。早くこれを能登島先輩の下駄箱に入れたいところです。ただ美潮さんのほうに入れたらどうなるのかという好奇心が芽生え、美潮さんに激しく折檻され抱かれる能登島先輩の図が浮かび、僕は好奇心に勝てませんでした。  下駄箱を開けるとまた手紙が入っていました。また返事を書かなければなりません。クラスと名前を確認して、帰りに便箋を買うことを忘れないように3回ほど頭の中で唱えました。能登島先輩も僕に手紙を書いてくだされば、僕は喜んで返事を書きます。僕から書くのは、美潮さんに悪い気がして。僕は何故か女子生徒によく構われます。見た目があまり男性らしくないためだと思います。サッカー部に居ながらも能登島先輩のように日にあまり焼けず、髪も傷まず、ウェアで擦れたりしても毛が濃くならず、まるで図太いと言われているようで、少し困惑してしまいます。筋肉もある程度までしか付かないので、ボディビルダーのようにはならないため中性的というほどではありませんが、女子生徒たちも親近感が湧くのかも知れません。 「おはようございます」  目の前を鍵をぶら下げた物理学担任の緋野先生が通られたので僕は挨拶をしました。緋野先生も挨拶を返してくださいます。 「随分と早い登校だな」  まだ7時半です。学校は8時30分から始まるので1時間前ですが僕にとってはそう早いという認識ではありませんでした。朝日を浴びながら花瓶の水を換え、黒板を綺麗にし、クラスのゴミをひとつにまとめておくというのもなかなか良いものです。クラスメイトひとりひとりに挨拶も出来ますし、1日にゆとりが持てます。緋野先生は同性からみても見惚れるようなルックスをしていたため僕は姿が見えなくなるまでその後姿を追っていました。それから2年の下駄箱に向かいました。美潮さんの下駄箱に紙を入れました。能登島先輩の下駄箱にも何か入れたくなったので廊下で死んでいた虫を入れました。怖がる姿を想像して僕のペニスはまたむくりとerectionしかけました。能登島先輩の下駄箱を僕のspermaで汚したいのは山々でしたが昨晩3回も自涜をしたので今日はもう出そうにありませんでした。そして教室に戻って窓を開け放ち換気をしました。花瓶の水を換え、黒板を磨き、クリーナーも掃除しました。少し掃除当番に対して嫌味になってしまいそうで多少の後ろめたさもあります。ですが朝から目にする黒板は綺麗なほうが先生方にもきっと良いもののはずです。僕の教室は西側で、高校の西側には大通りというほどではありませんが交通量の多い道路があったので朝は通勤による車の音が聞こえます。そううるさくはないものですから余計に朝の静けさを感じます。僕はこんな朝が大好きで、その中で手紙を読みました。幸せな朝です。内容は僕にとっては難しいものでした。ふと顔を上げて校庭と校舎を挟むアスファルトを眺めました。そういえばこの前、ここで飛び降りがありました。鈍い物音にクラスは騒然としていました。みんなが立ち上がって、何が起きたのか窓を見ていました。僕は窓際に近かったのですぐに応急処置をしました。それが正しいものだったのか分かりません。ただ講習を受けていたので無理をしない程度のことをしました。講習は人形が相手でしたし、頭部の怪我は見るからに重く、転落というよりは墜落で、多少の揺れが大きく事を分けそうだったのです。状況がまったく違いました。吐物と血で汚れた僕はすぐに教室には戻れませんでした。緋野先生から素手で体液に触るなと強く注意をされたのを覚えています。教室に戻れた頃には帰りのHR(ホームルーム)で、泣き出す人や吐き気を訴える人が出たようです。まだ訃報のようなものは耳にしていませんが、生きていたとしてもおそらくまだ復帰は難しいだろうなと思います。能登島先輩のクラスメイトだったらしく、僕はその時の能登島先輩が見たくて堪りませんでした。僕が見ることが出来たのはその後のただ落ち込んでいるだけの能登島先輩でした。もうあの時の赤い跡は流され、雨も降りました。ここで何があったかを知らない人は察することも出来ないでしょう。クラスは2日経てばすぐに元に戻りました。能登島先輩も元が単純ということもありすぐに普段の様子に戻っていました。あまり仲の良いクラスメイトではなかったのかも知れません。  僕はまた手紙に目を戻しました。僕のことが好きだそうです。僕も特にこの手紙の主を嫌う要素がありませんでした。僕が嫌いなのは淫乱で性にだらしのない陰茎乞食の無節操の権化能登島先輩だけですから。付き合って欲しいようです。僕は予定や予算が合えばいつでも誰とでも付き合うつもりです。人との繋がりは大切なものですから。すぐに返事を書きたいところでしたが今はもう返信用の便箋を切らしているため、この前書店で見かけた赤茶の猫の写真が入った便箋を買うことにしました。寝顔が能登島先輩に似ていました。けれど能登島先輩は猫というよりも柴犬みたいで可愛いです。誰とでも交尾しちゃうところも。能登島先輩と獣交尾したいですね。気を付けないとこの前みたいに能登島先輩のことを書いてしまいそうです。手紙をくれた相手は能登島先輩を知らないはずです。知ったところで可憐で清らかなフリをしてその裏の顔は茶釜(さがま)高校の公衆便所をやっている能登島先輩のそのギャップに惚れてしまうのは確定なのですから、能登島先輩のことを僕から発信する必要は皆無です。余計に能登島先輩が便器になってしまうだけです。

ともだちにシェアしよう!