57 / 69
第57話
-鵺-
能登島先輩は僕のものになりました。能登島先輩が僕のものになりました。あの能登島先輩が、僕のものに。美潮さんが能登島先輩を肴にしていることがそんなにショックだったのでしょうか。美潮さんは恋人なんですから、強姦された写真を見せられたら劣情を催すに決まっています。若い男の肉体が劣情を催したらどうなるのか、頭の良くない能登島先輩にはきっと分からないのでしょう。迎えに来た美潮さんに応じず、桃森先輩が追い返した後、能登島先輩は美潮さんと別かれたのだと喚き散らして、当番の僕が帰る素振りを見せるまでテーブルに寝ているつもりのようでした。桃森先輩もちょっかい出そうとしていましたが能登島先輩の機嫌は最悪で、帰ってしまいました。僕はこの日が来たとばかりに睡眠薬を粉々にしたものを能登島先輩にあげるジュースの中に混ぜました。能登島先輩は寝てしまいました。僕は、僕は、僕は……
僕は能登島先輩の肌を撮っていました。制服のシャツを開き、その中のタンクトップを首元まで捲り上げると可愛らしい乳首が見えて、とてもいやらしいと思いました。僕は能登島先輩に会う前は着衣のままブラジャーをずらし胸を晒す写真が大好きでした。能登島先輩に会っても変わりません。むしろ増大したと言ってもいいほどです。能登島先輩の何億人もの手垢が付きまくった、何億人もが吸い、捏ね回し、舐めしゃぶったに違いないくせ薄ピンク色をして清純ぶる卑猥な乳首が僕を挑発します。写真映りのためにもう少し乳首には頑張って欲しかったので僕は能登島先輩の清楚ぶる淫乱乳首を触って硬くしました。いくら素朴なふりをしても感度は誤魔化せません。僕の指の中で能登島先輩の乳首は凝り固まっていきました。寝ていても淫乱な性 は騙せないもので、能登島先輩はぴくん、と身体を震わせました。肌が触れるだけでerectionしてしまい、少し乾いている唇を舐めました。初めて僕の意思による僕からの口付けにペニスは破裂しそうでした。今まで何度か、気付くと共有物のように、学校や塾の女の子や、もしくは同性のクラスメイトからキスされたものですが、その時にはまったく感じられなかった悦びが僕の脳天に閃きました。僕はキスの気持ち良さと、能登島先輩を触りたい欲求はさらに増すばかりで、もう抑えきれませんでした。能登島先輩の何億人もの陰部を咥え、何億人もの舌を絡ませた口の中を僕も味わいました。甘美でした。自涜でもここまで興奮したことはないように思いました。能登島先輩の乳首も硬くなったままでした。誰にも触らせたことのない、性感帯では絶対にないみたいな様子 をして、それなのに指の腹で捏ねてみると、能登島先輩は誘うようにその眉毛を歪めました。予想を遥かに上回る素晴らしすぎる被写体が出来上がり、僕はスマートフォンのカメラで何枚も写真を撮りました。僕のものです。もう僕のものに違いありませんでした。それからぷつんと勃ち上がって捕食者を誑 かす乳首を舐めました。乳暈 も舐めました。舌先との境界が分からなくなるほどなめらかで、能登島先輩の匂いと汗の味で、僕の勃起は触らずに暴発してしまいそうでした。美潮さんはここを愛撫するのでしょうか。桃森先輩に散々甚振られ、キャプテンや部長、僕ら1年までをも誘惑するこの乳首は。おそらく、それは女性の陰核でした。能登島先輩はひっそりとこの男性の肉体に陰核を2つ持っているのです。僕は無我夢中で能登島先輩の陰核乳首を舐めました。唇で食んだり、甘く噛んだりしました。能登島先輩の性器は固く張り詰め、三角錐を作っていました。陰核を2つも胸に携えておきながら陰茎まで持ち、それを勃たせているこの能登島先輩の貪欲さに僕は激しく興奮しました。射精をしていました。触りもせずに。僕は能登島先輩の下半身を裸にし、縦に割れているvaginaに似たanusを慣らしました。日常的に何千本という陰茎を挿入していると思っていたのですが、その割には少し閉じているような感じがありました。何億回、何兆回抱かれようとも処女のふりをする、天性の淫乱です。こんな厚かましい穴が他にあるでしょうか。この人が抱かれない日などあるはずがないのです。相手が美潮さんでなかろうと。
僕は能登島先輩の淫らなanusに従い、処女を相手にするように丁寧に穴を拡げました。そこは指を奥に引き込もうとします。美潮さんもあの綺麗な顔をこの妖艶な穴によって歪ませたのかと思うと、僕はたまらなくなりました。また触らず2度目のorgasmに達してしまいそうです。下着の中はどろどろでした。しかし能登島先輩のおかげで毎日最低でも3回は自涜をしていて、今出したばかりなので、そこまでは惨事になっていないでしょう。しかしながら僕は能登島先輩のことを考えると、誘惑に乗り、自涜を覚えた猿になってしまいます。能登島先輩を肴にした質の良い射精をしなくては死んでしまいそうなのです。しかし能登島先輩を肴にorgasmに達してしまったら最後、僕は自分のsemenとspermを包んだティッシュに溺れて死んでしまいそうです。とはいえ、それは能登島先輩が居なければ吐き出されなかったわけですから、僕と能登島先輩の子供ともいえました。僕の家のゴミ箱には僕と能登島先輩の子供がたくさん死んでいるのです。能登島先輩との子供が。そしてまた僕の下着の中で能登島先輩との子供が今死にました。これからも能登島先輩と僕の子供を何兆回、何京回、何垓回と殺します。能登島先輩は自分に無量大数の子供がいてそれが死んだなんて気付かず、清純無垢な顔をして生きていくんです。anusが解し終わると能登島先輩を、能登島先輩と僕の子供の死骸で濡れたペニスで犯しました。僕は正常位が好きです。後背位では接触面が少ないような気がするのです。そうすることによって少面積集中型といえば聞こえが良いですが、僕は正常位で、腕を掴んでするのが好きです。能登島先輩の無垢を気取った偽りの清純さと底の浅い慈愛と質だけは本物の処女性を眺めるのが最高です。挿れているだけで、あの生々しいピストン運動などしなくてもすぐにorgasmに達してしまいそうでした。能登島先輩のvaginaとしかいいようのないanusの中にsemenはありませんでした。今日は美潮さんとはまだsexしていないのでしょうか。それとも避妊具を付けたのでしょうか。美潮さんは恋人の強姦された写真をみて、興奮しないのでしょうか。僕なら性欲の果てに1日中sexするというのに。避妊具を付けてsexしたのでしょう。しないわけがありません。能登島先輩を恋人にしておいて、sexしないだなんて。美潮さんは噂では元女性ということですが、もしかすると本当なのかも知れません。それか美潮さんも自涜によってsemenを使い切ってしまったか、です。能登島先輩がこの可愛らしいペニスで美潮さんを抱いているとは到底思えませんでしたが、無くはないことです。しかし能登島先輩はvaginaを突かれなければ満足しないと思うので、その場合は凹凸といった役割はないのかも知れません。僕は試しに能登島先輩のペニスを扱きました。glansからは尿道球腺が溢れていました。あの仲の良い可愛らしい先輩とはこれを使ってsexするのでしょうか。避妊具も使わずにあの可愛らしい先輩と子供を作るのかと思うと、こんなに男にvaginaと見紛うanusを持っていても動物的なオスの役割を果たせるということに倒錯的なエロスを感じました。あの可愛らしい先輩の前で、そして彼女と能登島先輩の子供の前で、能登島先輩はペニスを毎日何千万本もanusで咥えないと気が済まない色狂いだと教えてあげたいものです。
僕は能登島先輩のvaginaの中で最大限にまで膨張しみっちりと詰まったペニスを勿体ぶりながら動かしました。能登島先輩は眠ったきりでした。性器だけは突くたびにぶるん、ぶるんと震えていました。僕は喘いでいました。僕は自分の声にまで感じてしまったのです。能登島先輩の腕を掴みました。美潮さんの手垢が付いた能登島先輩はより一層の妖しさがありました。あの綺麗なかっこいい人も能登島先輩の前ではただの肉欲の奴隷です。たとえ美潮さんが男性であろうが、女性であろうが。あの可愛らしい先輩も肉体が女性であろうと能登島先輩を犯したいと思ったはずなのです。鳴かせたいと。この処女性を蹂躙したいと思ったはずなのです。僕は一心不乱に腰を振りました。あの生々しいピストン運動をしました。蒟蒻のように身体をしならせました。能登島先輩の胸の陰核を摘まみました。まるで花です。新たな息吹です。能登島先輩は僕をもっと奥に連れて行こうとします。自涜とはまた違う柔らかさと締め付け、何より肴にして思い描いた肉感に、僕のピストン運動は速まりました。天井を向いた能登島先輩のペニスは突くたびにsemenを噴き、砂漠のような腹に白いオアシスができました。僕はそれを薄まった練乳か、乳酸ジュースか何かのように指で掬って舐めました。能登島先輩の味を舌で覚えておきたかったのです。わずかに苦味としょっぱさのある正常そうな、生きた有機物の味がしました。
「能登島先輩……能登島っ、!」
僕は狂乱していたと思います。自涜では出ないような量のsemenが、やはり自涜では得られないような性感とともに迸ってしまいました。今日はまだ中に出されていないようですが、僕は本能のままに他の種を掻き出すような動きをしながら余韻に浸りました。しかし能登島先輩は何百億本もこのanusにsemenを受け入れるのですから、僕はspermの勝率を上げるためにこの動きをするのはむしろ理に適っているのです。能登島先輩は妊娠しませんが、ここはvaginaとそう変わりません。少し感触の違うところを集中的に引っ掛けると、能登島先輩は深く眠っていても下半身を痙攣させました。
また素敵な被写体が出来ました。早く美潮さんに渡したいです。僕は写真を撮りました。シャッター音とともにorgasmに達するよう仕込みたいくらいでした。ですがおそらく無駄です。能登島先輩はあまりお頭の方がよろしくないのと、何よりも、永遠に犯されていようとも処女の魂を生まれながらに持っているからです。たとえあの可愛らしい先輩とsexをしていようが、または別の女性とsexをしていようが。僕たち凡百の人類は能登島先輩の処女性に膝をつくしかないのです。この処女性に狂い、屈服し、従うほかないのです。僕たち凡百の、人間ぶって結局は動物に過ぎない有象無象は、この悪魔的な能登島先輩の処女性に、誑かされ、魅了され、精を搾り取られるしかないのです。たとえあの可愛らしい先輩であっても。僕たちは能登島先輩の性奴隷なのです。僕たちは能登島先輩という女王アリを見つけてしまった働きアリなのです。そして美潮さんは繁殖のための雄アリなのです。野生の中の生産性があるか、ないのかの違いです。僕らは人間至上主義の中で生きていきますから、生産性など関係ありません。消費社会です。しかし能登島先輩が生まれ、性的に成熟してしまったときから、もうこの世は消費しているつもりで、能登島先輩に消費されていたのです。
快感は長いものでした。能登島先輩も寝ながらorgasmに達しているようでした。僕は汗ばんだ首を舐めました。耳を齧りました。消えかけているキスマークを付け直しました。口移しで水を飲ませました。しかし我慢できず、その口腔を味わい尽くしました。能登島先輩は眠っているため促さないと嚥下できず、唇の端から僕と能登島先輩の唾液の混ざったものが溢れていました。顎を伝って落ちていきます。涙のようでした。思わぬ形で処女を失って泣く娘のようでした。何恒河沙 、何阿僧祇 、 何那由他 回、処女を失う気なのでしょう。これはもう、僕たちのような凡俗の徒が理解できる域を越えているのです。
「能登島先輩……」
このまま連れ帰ってしまおうかと思いました。連れ帰れるでしょうか。連れ帰ります。連れ帰らないと何故思っていたのでしょう?僕のものです。僕のものになりました。僕のもの以外の何でもありません。能登島先輩は僕のものになったのです。
僕は意外と軽い能登島先輩を背負いました。一緒に帰ります。
「礁太?」
部室を出ると美潮さんの声がしました。外はすでに暗くなっていましたが、美潮さんは綺麗な顔を保ったまま驚愕していたのが隣の部室の明かりが漏れていて見えました。
「礁太に何があった?」
「疲れて寝ているんです。慌てないでください」
美潮さんは僕の能登島先輩に気安く触ろうとしました。僕は躱しました。
「このまま僕の家に連れて行きます」
僕は煽ってみました。美潮さんは僕のほうなど少しもみないで首を振りました。
「駄目だ。俺が連れ帰る…」
呟くように美潮さんは言いました。僕は勝ちました。能登島先輩はまだ僕のspermを身籠っているのです。
ともだちにシェアしよう!