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第67話

-鵺-  能登島先輩は僕の味方をしてくれました。能登島先輩は可愛らしい先輩に遠慮があります。いつもはなかったはずですよ。写真では、まるで姉弟のようでした。急にです。美潮さんと別れたからですか。急に、男女を意識したなんてことはありませんよね。能登島先輩、抱く側のあなたもきっと思春期真っ盛りの性に目覚めた青臭く小憎らしい可憐な姿をしているのでしょう。でもだめです。許しません。僕を除け者にしてはいけませんよ。あなたは僕に抱かれるんです。  僕は能登島先輩の肩を抱いて人気(ひとけ)のない教室に入りました。開放的な校風って素晴らしいです。とはいっても普段から出入り自由な生徒会室の横の資料室なので、学校側も問題なしと考えているのでしょう。別に僕はいいんですよ、見られても。ただ能登島先輩が嫌がると思って配慮しただけなんです。出来ることなら宣言してもいいんです。美潮さんにも、きちんと。能登島先輩は僕が貰いますって、元恋人にきちんと報告することを憲法と法律で義務化するべきです。 「な、に?武中」  能登島先輩は何かを怖がっていました。何を怖がっているんですか?僕を怖がっているんですか?どうして。僕、人畜無害そう、穏やかそう、優しそうってよく言われるんですよ。能登島先輩、僕、能登島先輩に何かしましたか。能登島先輩。強姦したのが僕だって、もう気付いているんですか。能登島先輩。能登島先輩。僕ですよ。能登島先輩、あなたを強姦したのは僕です。能登島先輩、僕はあなたの内側(ナカ)を知ってるんです。あなたの柔らかくきつい膣菊穴(おなか)の中を、僕のpenisは知ってるんです。能登島先輩、あなたも僕に気付いているんですか。 「能登島先輩、少し震えてません?」  能登島先輩の小さな肩に触ってみました。強張っていました。可愛いくてまた抱き締め直してしまいました。前から強く抱き締めると能登島先輩は僕を嫌がりました。抱っこをが嫌いな猫みたいで、却って夢中になってしまいます。 「なぁ、こんなトコで何?変な話?やっぱカノジョ紹介して欲しいとか?それならまた泰(たい)ちゃんに頼むし…」  僕は可愛い声で可愛いく喋る能登島先輩の顎を掴んでいました。可愛いくて、僕は窒息してしまいそうです。ウサギみたいだなんてよく言われるのに、どうして能登島先輩は僕に怯えるんです? 「能登島先輩、僕、能登島先輩のこと好きです」 「へ?あぁ、ありがと。オレも好きだよ」  嗚呼…僕たち、両想いですよ。嬉しいです。僕は能登島先輩をまた強く抱き締めました。あの可愛らしい先輩のことも、元恋人のことももう吹っ切れてくれているなんて。能登島先輩、僕ですよ。僕があなたを陵辱したんです。気付いてくれましたか。気付いたうえで僕を好いてくれるんですか。能登島先輩。 「能登島先輩!付き合いましょう。お互い想い合っていただなんて!夢みたいだ。好き合ってる2人なら、付き合っても問題ありませんね?」 「え?え…、武中?」  言い逃れできませんよ、能登島先輩。僕に好きだと言ったのはあなたなんですよ。あなたは馬鹿です。大馬鹿です。他の人にそんなことを言ったら、オナホールにされてしまいます。僕で良かった。僕はあなたを大切にしますよ、能登島先輩。もう強姦なんてしません。あなたに顔を見せて、カップルのようなセックスをいっぱいしましょう。僕は能登島先輩を強姦しましたが、まだ童貞なんです。能登島先輩、僕と認識した上で、僕の初めてをもらってください。僕の童貞を。僕の童貞を受け取っていると認識して、抱かれてください。僕は、能登島先輩とセックスがしたいんです。能登島先輩に童貞をもらって欲しい。 「たけな……か、」  僕は能登島先輩にキスしました。柔らかい。眠らせてした時とは違いました。僕の胸を押し返そうとするのがいじらしくて堪りませんでした。唇は柔らかくて、一生離したくないと思いました。美潮さんはよく手放せたと思います。付き合っていたからといって能登島先輩の気持ちが冷めているのでは、何をしても強姦と変わりはありませんけれど。でも僕は、もう、能登島先輩と好き合っています。 「た、へにゃ……は……っ、」  舌を入れました。能登島先輩の口が動くとすぐに気持ち良くなりました。もっと深く入りたいです。違うところから奥深くまで入りたい。そろそろ予鈴が鳴る頃なのは知っています。ですが放したくありませんでした。能登島先輩が喋ったために軽く()む食むされた舌が疼きます。能登島先輩とのキスはいつも甘い。お昼ごはんはお砂糖だったんですか。それくらい甘くて、もしかして能登島先輩の喉奥には砂糖の塊があるんじゃないかって。誇張です。そういう砂糖みたいな甘さではなくて、舌の根元の奥深くまで染み込んでいくような、甘さというよりも、じんわりしていて味覚で感じているものではないかも知れません。僕たち、遺伝子的には相性良いですよ。ドラマティックもへったくれもありませんけれど。 「ぁ…っん、」  能登島先輩はあまりキスに慣れていないようでした。僕の唇や舌を噛んでしまいます。美潮さんとはそんなにキスしなかったんですか。キャプテンや部長とも?桃森先輩とならしていそうでしたが。みんなが能登島先輩を狙っているのに、そんなにキスしなかったんですか?無理矢理でも? 「た…へ……にゃ、か………」  まだ喋れる余裕があることに僕は少しムキになっとしまいました。能登島先輩の芝犬みたいな頭を抱いて、もっと深くまで入りました。舌全体をもう呑み込んでやるくらいの勢いでした。腕の中の能登島先輩は滑り、僕は軽い身体を支えました。 「ん…っ、ん、」  小さいお尻を押さえました。僕のerectionが能登島先輩の飾り物同然のpenisにぶつかりました。知っていましたか、能登島先輩。男なんてキスする時は大概erectionしているものなんですよ。でもそんなこと、ドラマや映画や漫画では描写できませんからね。僕は能登島先輩のpenisに僕の興奮を押し付けました。その分だけ身体は能登島先輩と距離を縮められます。 「た、へ……っんぁ」  もう喋らせませんでした。角度を変えて、緩やかなキスからもう少しステップアップしました。美潮さんとはどんなキスをしたんでしょう?美潮さんのキスは上手かったんですか。能登島先輩、能登島先輩の中に残った美潮さんを洗い流して取り除いてもいいですか。能登島先輩。 「は、…えにゃ……は、」  能登島先輩は無理に喋ろうとしました。そのたびに僕を食むのが可愛くて仕方がありませんでした。口を離すと下唇に唾液の糸が付きました。切れないで、なんて思った途端に切れました。 「も……チャイム、鳴る………から、」 「勃っちゃいました、先輩」 「でもそろそろ授業…始まるし…」  能登島先輩のpenisを僕は確認しました。小さく弱そうなpenisを潰さないよう掌で優しく包んでみたのですが勃っていませんでした。 「どこ触って……」 「舐めさてください。上手いかは分かりませんが」  戸惑っている能登島先輩のスラックスを僕は寛げましたちょっと色褪せたパンツが能登島先輩らしいと思います。erectionしていませんが、小さいなりに膨らんでいる能登島先輩のpenisを布越しに嗅ぎました。能登島先輩の香りに混じってもっと生々しい匂いがしました。 「武中、放し…て!教室、戻れ…よ、」  鼻先を埋めているうちに少しずつ勃ってきているような気がしました。 「最近いつオナニーしましたか」  能登島先輩はきっと可愛いmasturbationをするのでしょう。子犬のようにキャンキャン鳴きながら。僕は何度も想像しました。こうして目の前にして想像すると、僕の中に棲まう能登島先輩は実際よりも10歳ほど若くなってしまうようでした。僕は小児性愛者ではありませんが、妄想で作られた幼い能登島先輩に対して性欲や支配欲のほかに保護欲まで掻き立てられているんですよ。父や兄になった気分になるんです。それでも僕の前であなたは先輩でいようとするから愛しくて愛しくて堪らない。 「た、けなか…!いい加減に、」  予鈴が鳴ってしまいました。5分でfellatioできるでしょうか。初めてなので分かりません。練習はしました。ただ練習台よりも能登島先輩のは少し小さいのでいけるかも知れません。嫌がる能登島先輩を押さえ付けて僕は子供みたいなpenisを咥えました。能登島先輩の汗の味がしました。時折アイスキャンディを能登島先輩のpenisに見立てていたので、いつの間にか能登島先輩のpenisはソーダラムネ味がすると思い込んでいる節がありました。これが能登島先輩の味です。僕は抑え難い喜びと共にfellatioに努めました。喉奥まで収めてみましたが練習よりも余裕がありました。 「た、けなか……っ、」  僕は能登島先輩を見上げました。頬が窄まって情けない顔をしていると思います。しかし見せたかったのです。fellatioをしているのだと、その様のグロテスクさごと。能登島先輩は潤んだ目をしていました。口元を隠すためにそれが尚のこと強調して見えました。僕のerectionははち切れんばかりでした。spermを漏らしてしまいそうです。僕は本気です。僕は本気です、能登島先輩。濡れた目を見つめたまま僕は能登島先輩のためだけの口vaginaを動かしました。 「あっ、うぅ…!」  能登島先輩の腰が少し揺らめきました。可愛い声に僕はもうメロメロになってしまいます。少し意地悪したくなって舌の裏で敏感なglansを焦らしました。 「たけなかぁ…っ」  能登島先輩の子供みたいな手が僕の頭を抱いてくださいました。甘えた声が溜まりません。まだ遊んでいたかったのですが、そろそろ本鈴が鳴ってしまいます。僕は間に合いませんが、能登島先輩は早いところejaculationさせてしまえば間に合うかも知れません。僕のerectionは50分間放置されることになります。能登島先輩の淫らな妄想で散々もどかしさに苦しみ喘ぐことでしょう。ですがそれが悦びであり幸福なのです。僕は自分のあまりの多幸感に欲深くもピストン運動を速めてしまいました。これが、僕の想像する能登島先輩のmasturbationの手の速さです。唾液が淫猥に響きました。口の中に広がる味からして何か変化が起きているのは間違いありませんでした。能登島先輩、僕の口の中に出してください。能登島先輩、あなたのanusは種壺ですが、僕の口だけはあなたの種壺です。あなたの子種を僕の体内で殺してしまいたいのです。 「だめ、武中……っ、ぁっ、も、もぉ、放ッ……はなして…」  能登島先輩の細い腰、小さな尻、肉の薄い腿が強張りました。ejaculationしそうなんですね?能登島先輩。僕の口の中、胃の中であなたの孕むspermをすべて滅ぼしたい。僕はあなたの何億もあるひとつひとつの種に妬いているんです。あなたの中に居られるのですから。僕は圧倒的な殺意と好奇心と、ただの種に過ぎない稚魚に対する優越感を以って能登島先輩のpenisを吸い、扱き、締め上げました。 「あ…っ!………ん」  僕の口の中で能登島先輩のpenisが弾けました。ミニトマトを食べる時のあのスリルにも少し似ていました。しかし味はまったく違います。若干ほんのりと青臭いところは或いは似通っているかも知れませんが、やはり違うものでした。舌触りも違いました。あまりmasturbationはしないのか、それとも毎日元気に作られているのか少し濃い気がしました。粘度も高いような。とはいえ比べようがありません。僕の中のイメージと比べたら、といったところです。比較対象に成り得た自分のものはあまり見ませんし、何より見た目と舌の上で感じるものは違います。 「武中…」  今日はたくさん、能登島先輩は僕を呼んでくださいます。まるで僕しか頼れないみたいに。能登島先輩はよく桃森先輩のことも呼びますし、部長やキャプテンのことも例外ではありません。きっと元恋人のこともそうでしょう。それでもたくさん呼ばれるのは嬉しいです。fellatioをすれば能登島先輩は僕をたくさん呼んでくださいますか。僕はまだ戸惑っている能登島先輩の潤んだ目を見て、能登島先輩の瀞みのあるsemenを飲みました。意外と喉に絡まり、何度も飲む必要がありました。小さい頃、バナナやメロンやパイナップルを食べた後の痒みや痛みには及ばない程度のザラつくような違和感が残りました。僕は能登島先輩のpenisを舐めて綺麗にしてからスラックスを元に戻しました。能登島先輩はぼんやしたまま動きませんでした。丁度良いところでチャイムが鳴りました。 「チャイムが鳴りましたよ、能登島先輩」 「あ、あ、武中…」  気拙(きまず)そうな能登島先輩も素敵でした。 「チャイムが鳴りました」  fellatio直後にキスをするのは悪い気がしました。ですから僕は能登島先輩が行ってしまう前にキスの代わりに抱擁しました。能登島先輩は抱き締められ慣れています。キスはほんの一瞬ですから、代わりにやるこの抱擁も一瞬で終わらせました。 「愛してます」  放し際に言いました。能登島先輩は信じられないような目で僕を見ました。硬直するような、怯えるような様子はまた抱擁をしてしまいそうでした。もう口の中には能登島先輩のsemenの味も残っていないためにキスをしたくもなってしまいました。ですが、もうチャイムが鳴っているのです。 「部活で会いましょう」  僕は完全にerectionしていました。能登島先輩を想ってするerectionは誇りというほかなく、僕はこのスラックスを押し上げるpenisを人のまるきり減った廊下で見せびらかすように歩きました。

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