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第34話 髪も瞳も、肌も、声も

「ンっ……ぁっ」  恥ずかしくて蒸発しそうだ。 「んんんっ」  快感に蕩けておかしくなりそうで、背後で背もたれになっているカズの腕にすがるように手を伸ばした。  Tシャツを乳首のところまで捲り上げて、下は全部脱いで裸。そして、大胆に開いた脚の間を後ろにいるカズに抱き締められながら、その指にほぐされている。動く度に気持ち良くて、甘い濡れた音がすると前でピクンとペニスが揺れる。 「ぁっ……」  勉強を教えてあげると言って部屋に招いたのに。勉強を教えてもらうんだと言って、部屋にやって来たのに。二人で篭もってこんなことをしてる。 「はぁっ……」 「ね、ナオ、ローション足さなくてもいいくらい、カウパー零れてる。お腹のとこ、ほら」 「あっ……ン、だって」  ぬちゅくちゅと甘い甘い音を立てて、そそり勃ったペニスの鈴口からカウパーをナオの指がもてあそんだ。そして、柔らかくなった孔が物欲しそうにヒクついてしまう。  もう勉強なんてしてない。 「……ナオ」 「ぁっ……ン、乳首、すごいっ」 「コリッコリじゃん」  摘まれるとたまらなかった。指を咥え込んだ孔がきゅぅと切なげに締め付けてしまうくらいに、カズに乳首をいじられるのが好きでたまらない。 「イイんだ? 中がすっげぇエロい」 「ぁっ……ぁっ」  イイよ。自分でもはしたないって思うけど、ダメなんだ。もっとされたくて仕方がない。 「早く中に挿れたい」  俺も。 「あっ」 「この中、ぐちゃぐちゃにしたい」 「ぁ」  掻き混ぜて。俺の奥まで貫いて抉じ開けて。 「ねぇ、ナオ」 「ンっ」  挿れただけでイってしまう。きっと。中だけでイけてる。そのくらい――。 「早く、俺の中に、来」 「カズー! ナオー!」 「「っ!」」  身が竦んだ。 「っんだよ。マジで」  小さく舌打ちをして、服をまだ着ているカズが立ち上がった。服の裾で口元を拭って、険しい表情のまま部屋を出ていった。  お茶はいるか? なんて訊かれてる。平気、自分たちで欲しい時に用意するからって断って、それと勉強してるからって、付け加えてる。だから邪魔しないでと言うように。 「っ……っ」  俺はカズが部屋に戻ってくるのを焦れながら待ってた。 「ぁ……カズ」  テーブルに手を付いて、支えにしながら、自分でさっきまでカズの指を咥え込んでいた孔をほぐす続きをしてた。 「ぁっ……はぁっ」  もう、指、三本入りそう。 「カズ、っ」 「……」 「ぁ……も、痛くない、から」  髪も瞳も、肌も、声も、全部。 「もう、これ、ちょうだい」  俺のものに。 「っ」  ラフな家着を下着ごと引っぱって、跳ねるよう飛び出た熱の塊を掌で撫でて、その根元にキスをした。 「すごい……」 「っ」 「カズの、カチカチ」 「っ、っ」  舌で先を濡らした。それから唇で咥えて、少し強めに窄めながら咥えていく。 「っン」 「ナオっ」  卑猥な音をさせて頭を揺らしながらできるだけ口に含んでく。これが欲しいから、何度も口の中で扱かせて、しゃぶりついて、丁寧に愛撫する。硬くて、熱くて、太いので、刺し貫かれたいから。 「ナオ、の舌、気持ちイイ」 「ぁっ」 「よかった。母さんが呼んだから、もう今日は続きナシかと思った」  冷静さを取り戻して、下に親がいるのにって、やめてしまうかもしれないって、思った?   やめないよ。もう欲しくて、欲しくて我慢できないとこまでトロトロにほぐされたから。 「カズ」 「?」 「跪いて」  人間椅子になって、だっけ? 「座って?」  ナオがラグを敷いた床に座って、そして、その上に跨った。 「それで? どうすんの?」  腰を浮かせて、今濡らした熱に手を添える。ただ触れただけですぐそこでカズが息を詰めたのを感じた。痛そうなほど張り詰めて硬くそそり立ったペニス。 「じっと、してて、カズ……ぁっ」  孔につけるとゾクッとした。 「ぁ、あっ」  もう知ってる太さ、硬さ、形をズブズブと飲み込んでいく。指で柔らかくほぐされた孔で。美味しそうに咥えてく。 「っ狭……ナオっ」 「へ……き」  隙間なんてほんの少しもないくらいにお互いにしゃぶりついて、境目なんてなくなりそう。 「ぁ、カズっ」  だって、この身体は髪も瞳も、肌も、声も、全部、カズので。 「ぁっんんんんんっ」  カズの髪も瞳も、肌も、声も、全部、俺の、だから。  お互いに欲しくて、欲しくてたまらない相手とセックスをしているから、境目なんて、ぐちゃぐちゃに絡まり合ってわからなくなる。 「ぁ、あっ……」  もうイキそう。  張り出て太いカリ首を孔で咥えて、抉じ開けるように、掻き分けるように貫いて暴れる全部を俺のにしたくてたまらない。 「あっ!」  身体が快感に丸まる。気持ち良くて、お腹のところがカズでいっぱいで嬉しくて爪先まで力が入った。 「咥えただけでそんなに気持ちイイの? 中、甘イキしてる」 「い、よ。すごく」  ぎゅってしがみ付いてその耳元にキスをしながら打ち明けた。して欲しいことを囁いた。 「ぁっ……ン、カズの、で、もっとぐちゃぐちゃにされたい」 「っ、ナオ」  ずっと耳にキスをしながら。 「ぁ、あっ、太い、よっ……大きいっ、カズの、気持ちイイ、イ」  腰を自分でも動かして前立腺も奥も浅いところもカズのペニスで気持ち良くなりたい。 「俺の中、気持ちイイ? ここ、好き、ここをずんずんされると、イっちゃうから、だから、もっとして」 「ナオ、っ」 「イかせて、ぁっ……ン」  まるで子どもみたいにぎゅうぎゅうにしがみついて動くと、荒い呼吸も濡れた音も、どっちのなのかわからないくらい二人の間だけ乱れてた。 「あ、あ、あ、あっン、イっく……カズ」 「俺も、だから」 「っ、ン、っん」  自分からも激しく腰を振りながら、首にしがみついてた。ずぷりと奥深く間で咥え込んだペニスを中からも刺激して、掻き混ぜてもらえるように身体をくねらせる。指で仕立てたセックスに悦ぶ孔が切なくなる。 「あ、あっ」  齧り付くようにキスをして、お互いの身体を貪るように繋がって。 「ナオ、の中でイかせて」 「ん、ん、んんんんんんっ」  最後、射精する瞬間、声を我慢できそうになかったんだ。 「すげ……ナオ、やばいよ」  思い切り噛んでしまった。カズの首のところ。 「あっ……」 「ナオ」  汗で濡れた髪にキスをした。瞳には俺が映ってた。肌には俺の噛んだ痕を刻んだ。だから、声も俺のにしたくて。 「ナ……」  名前を呼んでくれる声を食べるように、深く口付けた。  全部、俺のものになればいいと、カズの唇を犯すようにキスをした。

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