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二、明晰夢(めいせきむ)⑧

 今度は少し力を込めて下唇を噛むと、下に引っ張って唇を薄く開かせられた。  何度も何度も、懸命に誘う小さな唇に、下半身が暴れ出しそうになり、尻尾が大きく揺れた。  何度も何度も揺れるうちに、ここまで蘇芳にさせて指先一つも動かせない自分が恥ずかしく思えてきた。逃げられない。止められない。欲情を隠せない。恋人でもないのに、辞めることができないとなれば、責任を蘇芳だけに押し付けるわけにはいかない。自分も同罪なのだから。  首に抱き着いていた蘇芳を横たわらせ、上に覆いかぶさる。  体重をかけて負担にならないよう、両手で懸命に踏ん張ってから、唇を押し付けた。 「すまない。俺は経験がない。満足はさせてやれないが精力を渡すだけならば好きなだけ渡そう」 「白狼」 「君に流されたわけではない。俺の意思だ。俺が強引に渡したんだ。君は何も責任を感じるなよ」 「へんなの。キスするぐらいでごちゃごちゃ――んっ」  これ以上会話をしても蘇芳のペースに呑まれるだけだと、唇で会話を遮った。蘇芳が舌の根元を刺激してくるたびに唾液が溢れ、唇の中がクチュクチュと卑猥な音を立てた。小さな舌が懸命に動く度、愛しいと心臓が跳ね上がった。  だが肩をタップされ、唇を離して顔を覗き込むと唾液で濡れた唇を尖らせていた。 「僕の舌の根元を、舌を吸うように刺激して。多分甘く誘う香りが強くなるって。兄が言ってたの」  頷き、再び唇を重ね、舌を吸う。時折、舌の根を刺激し、互いの唾液で口の中が溢れると、蘇芳が喉を何度も鳴らして飲み込んだ。  白狼も飲み込むと、まるで酒で酔いそうになる香りに鼻を刺激された。強く刺激される。いつの間にか蘇芳の口の中を犯しているのは、白狼だった。  顎から伝う唾液が、蘇芳の胸に落ちていく。キスだけで乱れた蘇芳は、胸の尖りを白狼の胸に押し付け刺激を求めて擦りつける。 「あっ 足りなっ 白狼、触って」  白い肌がうっすらと桃色に色づく。艶めかしく胸を動かす蘇芳に誘われ、胸に手を置くと首を振る。 「ここ、もっと」  自分で胸を掴み、つんっと主張している乳首を押し付ける。指先で摘まむと、足をもぞもぞと動かした。 「ぃいっもっと」  指先で弾くと顔をのけぞらせた。顎に滴る唾液を、舌でふき取りながら唇を再び重ねた。  胸をいじりながらキスを続けると、息が乱れ、蘇芳の体が大きく揺れ出した。白狼もズボンがきつく、下半身が痛くなるぐらい膨張していたが、懸命に我慢した。  こくんと大きく唾液を飲んだ蘇芳が、腰を大きく数回痙攣させながら唇を離す。  そして恨めしそうに上目遣いで白狼を見上げた。 「キスと胸だけでイっちゃった」  下着を摘まむと、下着と金色の間を白濁の糸が渡っている。しっかり見てしまい白狼が再び目を背ける。

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