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九章
「……白狼の雄くさい匂いが、大好き」
下着を歯でずらしていく。どこでそんな行動を覚えたのだろうか。
普段愛らしく、綺麗な蘇芳が、今日は驚くほど艶っぽくそして極上に甘い。
「んっ」
ぷるんと大きく揺れながら下着から飛び出た肉茎を、舌で下から上へ舐められると、その快楽に白狼から声が漏れる。そんな白狼に気にせず、口に咥えると無我夢中で小さな舌で刺激を与えていく。
「くっ 蘇芳さ」
艶っぽい白狼の声に、感じているのだと嬉しくなる。いつもストイックな男が、艶めいた表情をするのは面白いと、つい先端を舌で刺激する。
あふれ出てくる精を吸う。青臭いどろりとした雄の味がもっと欲しくて舌で突くように何度も何度も刺激を繰り返す。舌で刺激しあふれ出たら啜る。お香で本能むき出しの白狼からはいつも以上に濃い味がする。
夢中になって口淫する蘇芳の姿が健気で愛おしさで溢れていく。経験のない白狼が手持無沙汰な手で耳を触るとうっとりと目を閉じてしまいそうになるほど気持ちがいい。
お礼と言わんばかりに小さな口の奥に飲み込むと、狭く暖かい口の中、搾り取られそうになる。
白狼が快楽から逃れようとしたのか蘇芳の尻尾を握る。そんなに強くではなかったが、蘇芳の全身に電気が流れるような、気持ちよさで思わず口を離してしまう。
「ふわぁぁっ しっぽ、だめっ」
「っく。すまない」
はたしてお互い熱が収まるまで、白狼は何回『すまない』と言ってしまうのか。
快感で疲れていた思考で、そんなくだらないことを思う。白狼も我慢が出来ず手を伸ばし、先走りを垂らし続ける蘇芳自身を握ると甘い声が漏れた。
「だめ。今は僕の食事の時間」
身体が捩じられ、正面を向く。快楽でしかめっ面のセクシーな白狼を上目遣いで見ながら、もはや凶器のように尖った雄を握る。
顎が疲れたのか必死で舌で先走りを先走りを舐めだし、先端を音を立てて吸い上げる。
白狼にはその感触ではなく、必死な蘇芳の姿に熱が集まっていく。
「あは、大きくなったよ」
嬉しそうに笑う蘇芳が、耳に髪を掻けながら口に含んだ。綺麗な口から、ジュボジュボと卑猥な水音が聞こえてくるせいで体中が沸騰しそうになる。
「っく。出る」
離せ、という意味で肩を触るが、蘇芳ははがれない。
込み上げてくる熱を必死で理性でとめようとしても止まらず、小さな蘇芳の口の中に放ってしまっていた。
「んんっ」
蘇芳は呑み込もうと口を動かし、喉を大きく鳴らした。
「ごちそうさま、白狼」
はあ、と甘い吐息を放つ。曝け出した前からは、畳に糸を垂らし卑猥で艶っぽい姿だ。
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