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九章 四
神に人型にしてもらった特別な種族。たった一人の相手を惑わすために甘い香りを放つと説明されていたが、これほどのものとは思わず理性が吹き飛びそうだった。
「あっ、んんっ」
シーツの上で足の指が暴れている。声を押さえようと唇に指を持っていく姿が官能的で、さらに刺激を与えようと両手で左右に開き舌を奥へ侵入させた。
「はくろ、舌、あついっ、わ、だめっ」
足をばたつかせ、白狼の髪を両手で握りしめながら、快感に身をよじる。
その色っぽさに、舌を引き抜くとコンドームを装着した指を挿入した。
「蘇芳さん、舌より指の方が奥に届きます」
「そ、そうだけど、わ、むり。熱いっ」
狭い肉を引き裂くように侵入すると、ぎゅうぎゅうに締め付けられ食いちぎられそうになる。
蘇芳は足もしっぽもばたつかせ、甘い声を上げている。
内襞のしわを一つひとつ伸ばすように指を動かすと、腰が大きくしなる。
暁の指が届かないような奥へさらに侵入しようとしたとき、奥を擦ると「ひゃああっ」と大きく蘇芳が啼いた。
「いまのとこ、駄目だったっ」
「今のところ? ここかな」
「だから、だめってばあ」
中で指を曲げて、啼いた部分を推す。すると飛び上がらんばかりに大きく身体を震わせた。
「い、く。いっちゃう。いっちゃうう」
髪を掴んでいた手を離し、欲望を放ちそうな自分の熱心を握るが、握った指の間から白濁した液体が流れ出た。何度も放っていたので少量だったが、蘇芳はそのまま布団に倒れた。
荒い息を吐きながら、放心状態だ。
「すごおい。白狼の指だけで、死ぬかと思っちゃった。だめって言っても止めないんだから」
「すまな」
謝ろうとする白狼の熱芯を、蘇芳の足が撫で上がる。
「すぐ謝るけど、白狼は謝るようなこと僕に一つもしたことないんだよ」
心配げに顔を覗き込んできた白狼に抱き着いた。
「いっぱい気持ちよくしてくれてありがとう。白狼の発情期には僕がいっぱい飲んであげるね。」
「狼の発情期を教えただろう。中秋の名月だ」
「僕は、兄さんとルナさん以外の人外の発情期は知らないから、ちょっと楽しみ」
顔をあげ首を傾げると、浴衣を着せながら白狼がため息を吐く。
「そんなに激しいの?」
蘇芳が服を着て白狼に再び抱き着くと、苦にもせず抱きかかえ廊下を歩く。
そして珊瑚と白狼と三人でいつも一緒に寝ている一番端の部屋の寝室へ行き、再び蘇芳を下ろすと布団に寝かせた。
「ねえ、激しいの?」
床に転がった珊瑚のおもちゃを拾いながら、答えない背中に投げかける。
「もし先ほどの蘇芳さんを、満月を浴びた俺が見ていたら襲っていたと思う。今度満月の日が来たら、俺は根元をきつく縛り、両手両足を縛ってもらい押し入れに放り込んでもらいたい」
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