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十三章 八

「俺と結婚してくれますか?」  口づけたままで蘇芳を見下ろす。射抜くような真っすぐな瞳。今日は少し腫れているが、それすらも清く。 「ふふ。当たり前だよ。僕を白狼の花嫁にしてね」  両手を伸ばす。すると、足の手首を掴んでいた指先が、足をなぞり太ももまで這いあがる。先走りで濡れ金色の毛が濡れていく。 足を持ち上げられ、指先がひくついた窄みに挿入されると中は蜜で潤い指を食い契らんばかりに締め付けてきていた。 高ぶっていく白狼の肉茎は大きく、蘇芳の嬌声や吐息でさらに膨張していく。 怪我をさせないよう、丹念に丁寧に愛撫していく。 「白狼、指が、熱い――っ」  大きく開いていた足を、ガクガク震わせながら、舌足らずな声が強請る。  しかし一本だけでこの狭さ。自分の欲望を突き刺すにはまだ不安があった。  濡れた中へ指を増やすと、蘇芳の腰が大きく波打った。 「や、ああっ。あああっ」  好きな部分は覚えている。丁寧に内襞を伸ばすように指を動かし、濡れた奥を指先で押しつぶした。 「――ひゃああああっっ」  白狼の肩に爪を立てながら、布団の上を足で引き裂くように、腰を浮かせ何度も痙攣する。  痙攣するたびに、爆せた液体が白狼の腹にかかった。  大きく肩を上下させ、濡れた瞳で見上げると「指だけで、イっちゃったじゃん」と頬を膨らませる。 「違うよ。僕、はやく、奥に。自分でも届かない奥に、白狼の熱を注いでほしいんだから」  煽る蘇芳は、両手で白狼の肉茎を掴んで上下に動かす。小さな蘇芳の手が掴んでも、欲望で高ぶった肉茎は隠れず、掴んだ指が届かないほど膨張している。 「ああ。蘇芳さん」 再び覆いかぶさると、甘い口づけを交わす。  最初は、相手の唇をついばむような、甘くくすぐったいじゃれあうようなキス。それがやがて、舌が入ると水音を立てて荒々しくなる。  相手を奪いたくなるような、全て欲しくて吸い付くような獣のような口づけに変わる。お互いの唾液をすすり合い、高ぶった下半身をこすり付け腰を振る。蘇芳が、白狼の腰に足を巻き付けてもっと近づきたいと背中を抱きしめた。 「ん、っ……んんっ」  息と同時に漏れる声は甘い。 「はくろ、キスだけで溶かさないで」  息を整えながら、白狼の手を掴むと自分の下半身に押し付ける。 「僕、――今、発情期なんだから」  ね、と首を傾げ蕩けんばかりの笑顔で誘  壊したくない。優しくしたい。大切にしたい。  けれど、早急につながって奥に注いで溢れるまで注いで、その中を自分のモノで溺れさせたい。 

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