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十四章 三
先端にぬるりとしたものが当たる。中にローションでも仕込んでいるのか中は柔らかい。
縁側に散らばった二回分の洗濯物を見ながら、観念する。
指でほぐし、胸の尖りを舐めた瞬間、甘い香りに理性を支配された。
キスをしつつ、服を脱ぐと、指をぎゅうぎゅうに締め付けられた。
「はやく。指じゃなくて」
煽るのも強請るのもうまくなる蘇芳に、完全に主導権を握られ、けれどまんざらでもない白狼は観念する。尻に敷かれるぐらいが、幸せだ。
「はぁぁあ、んんっ」
呑み込んでいく蘇芳の姿は艶めかしく、時が止まるように心を奪われる。
自分も命がどうなるか不安だったに違いないのに、白狼を受け止めたいといってくれた。この愛しく儚く美しい存在に、とっくに溺れていたのは白狼の方だろう。
観念して腰を掴むと、下から突き上げる。
「ひゃん、いい、きもち、いいょ、ぉぅっ」
踏ん張っていた足ががくがくと揺れて、落ちていく。代わりに奥へ入りこまれ目を見開きながらも指を噛んで声を押さえていた。
「手は、こっちだ」
首に巻き付けさせると、顔が近づく。今度は白狼からキスをすると、蘇芳は可愛らしい舌で答えた。
愛が溢れていく。
本当は、茜たちが生まれた時点で自分は消えていたのだ。
生きててよかったと、揺さぶられながら蘇芳は笑っていた。
「白狼、愛してる」
痛みも、甘さも、安らぎも、全てくれる大切な存在。その白狼に、口づける。
「俺もだ。日毎、気持ちは溢れていく。愛している」
白狼も大きく腰を打つ付けた後、むさぼるように口づけた。
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