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第三章・11

 受け取りながらも往生際悪く、要人にぼやいてみせる。 「なぁ、やっぱりこういうこと、しなきゃいけないのかな?」 「だって、好きだったら付き合うし、付き合ったらセックスするだろ、普通」 「そうか……」  優希はもう諦めて、二人で正しいやり方を検索し勉強することにした。  でたらめなアカウントで、アダルトサイトへログイン。  どうせすぐに捨てるが、履歴の残る要人のタブレットには少し申し訳ない。 『男同士動画』と入力すると、ずらりとウェブが紹介されてきた。  単純に、一番上にある無料動画サイトを開く。    そこにはいろいろなシチュエーションでの絡みが静止画とキャプションで紹介してあり、優希はこれまた何も考えずに一番上にある静止画をクリックした。  ずい、と覗き込んでくる要人。  興味津々といった顔つきからすると、事前に男同士でどうやるかを勉強している風ではない。  動き出したモニターを、優希と要人は頭を寄せ合って見始めた。

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