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第四章・8
途中、いつものカフェに立ち寄ろうと言い出したのは、やはり優希の方だった。
席に着くやいなや、バッグを引き寄せ中を探る優希に、要人は嬉しくなってしまった。
「あ! 優希、ここで開けて見せてよ。今朝、俺が渡したプレゼント!」
その言葉に、優希は一瞬迷った顔をして見せたが、バッグを探りくだんの赤い箱をテーブルの上に乗せた。
「要人、本当にありがとう」
「どういたしまして」
わざとおどけたような口調で、要人は場を和ませた。
慎重に包み紙を剥がしていく優希の真剣な顔を見ながら、要人は幸福感を味わっていた。
(自己満足かもしれないけど、やっぱり贈ってよかった)
プレゼントを開く時の優希の顔。
中を見て眼を輝かせる優希の顔。
そして、手に取りだして満面の笑みをこぼす優希の顔。
どれも、初めて見る顔だった。
すごい、素敵だ、ありがとう。そんな言葉の数々が、とても嬉しく心に沁みる。
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