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第四章・9
「気に入ってくれて、よかった」
「大切にするよ」
その後すぐに、優希が何か言おうと口を開きかけたが、突然隣の6人掛けの席に踊り込んできた女子学生の集団に、あっという間に阻まれた。
女子たちは、少女特有の甲高い大声と少しワルぶった汚い言葉遣いで、今日のバレンタインデーの話に花を咲かせている。
誰に渡した、何を選んだ、いくらかかった、だのと騒がしい事この上ない。
「行こうか」
「うん」
要人と優希は、まるで追い出されるかのような気持ちでカフェを退散した。
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