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第六章・2

   囲い方を知って、ようやく将棋の持つ真の面白さに触れかけた時、中学校に上がってしまった。  勉強に、部活、生徒会活動などに忙しくなった二人は、いつの間にか将棋から離れていってしまっていた。  高校生ともなれば、なおさらだ。  懐かしい、木でできた将棋盤。  文字の掘られた、駒。 「いいね。やってみようか」  優希もまた、将棋の持つ面白さを思い出しつつあった。  確か、実力は同じくらいだったはず。  今指しても、面白いことになるだろう。

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