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第七章・12

 ホントに営業してるのかな、と不安になった二人だが、看板はちゃんと出ているしウェルカムボードも掛けてある。  要人はそっと引き戸に手を掛け、横にがらがらと滑らせた。  ドアが手動という点もまた、この上なくレトロだ。 「建てつけは悪くないな。簡単に開いたよ」 「家主さんはきっと、几帳面な人だ」  そんなことを言い交わし店内に入ると、すぐに優希の足へネコがすり寄ってきた。  ごろごろと喉を鳴らす音が聞こえてきそうだ。  白に黒いぶちの入ったそのネコは、しきりに顔を優希に擦り付けている。

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