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第七章・17
するとその鳴き声に誘われたように、これまた妙な声で鳴きながら一匹のトラネコが近づいてきた。
そして、床に這いつくばった白猫の上に跨り、その首を噛んだのだ。
「え!? ちょっと、コレは!」
「大変だ、ネコが噛まれた! 要人、早くお婆さんを呼んで止めさせなきゃ!」
「あ、いや。優希、そうじゃなくって……」
あれよあれよという間に、マウンティングしたトラネコは活発に腰を動かし始めた。
さすがの優希にも、この行動を見ればネコたちが何をしているのかが解かるというもの。
「……」
見ないふりをし、そして何とも思っていないふりをしてはいるものの、顔が真っ赤だ。
(これをカワイイとか言うと、本気で怒るだろうな)
気まずい雰囲気を醸す優希は、要人にはひどく純情に感じられたが、これ以上彼を困らせるほど悪趣味ではなかったので、手を挙げて老婆を呼んだ。
ネコが交尾してますけど、との要人の言葉に、さらに固まってしまう優希だ。
(要人! そんなあけすけに『交尾』とか言う!?)
だがのんびりとやって来たお婆さんも、要人同様に何とも思っていないのだ。
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