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第七章・21
『筍ごはんをたくさん貰ったから、食べていかないか?』
そんな要人の誘いは、実に自然に優希へ届いた。
「山丘が試作品を俺にくれてさ。食べたら感想を聞かせて欲しい、って言うんだ」
「試作品? もしかして、まだ貝原と張り合ってるのか」
「うん。完璧な筍ごはんを作り上げて、文句なし美味い! って唸らせてみせるんだって」
山丘は、料理が趣味のクラスメートだ。
いろいろと珍しいものをこしらえては、彼女にまるで供物のように捧げている。
ところがそれに美食家の貝原が、一言物申してきたのだ。
彼女にプレゼントした弁当を脇から出てきて一口食べ、こんな事を言ってきた。
『確かに美味いが、火加減がいまいちだな。余熱を考えると、これは2分早くコンロから下ろすべきだった』
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