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第七章・23
「これは何だろう?」
「わらび、らしいぞ。山丘がくれたメモに書いてある」
「なるほど。わらびも旬の味覚だな」
薄くスライスした大振りの筍と、3㎝程度に切りそろえたわらびがメインの炊き込みご飯。
食感の違いもさることながら、春らしい香りも楽しめるとはなんと贅沢な!
さらに、細かくみじん切りにした人参と油揚げも加えてある。
人参は彩り、油揚げは風味をアップさせている、名脇役だ。
筍ごはん以外に、要人は簡単だが副菜を揃えておいた。
レトルトの豚バラ炒め。フリーズドライのもずくスープ。冷凍食品の春巻き。
ただ、それぞれには肉を足したり、豆腐を入れたり。
ちぎったリーフやトマトを添えたりと、それなりに無味乾燥にならないように気を遣った。
そして。
「筍ごはんには、辛口の白がよく合うんだって」
そう言って要人がグラスに注いだのは、よく冷えたデイリークラスのワイン。
「要人、未成年が飲酒は……」
「いや、これも山丘が絶対いけるから、って。値段の割には美味いから飲んでみてくれ、ってさ」
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