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第七章・29
だけど、優希は。
「優希、何か香水とか付けてる?」
首を何度も甘噛みしながら、その合間に要人は訊いてみた。
「そ……、んな、物。付けない、よ」
「だろうね。良かった」
「なに……が、だよッ、て、いつまで噛んで……ッ」
ごめんごめん、と要人は優希から口を放し、彼の顔を確かめた。
耳まで赤くし、眼を潤ませ、唇を薄く開いて口呼吸をしているその姿。
Bの入口までたどり着いたぞ!
内心ガッツポーズを決めながらも、優希のプライドを損ねないよう自分の首筋を彼に差し出した。
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