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第七章・30

「どうぞ」 「……噛むぞ」 「嬉しいよ、優希」  優希もまた要人の首筋を愛撫することで、一方的に受け身にまわる恐怖心から解放されていた。  組み敷かれ、ひたすら攻められ、自我を失うまで追いつめられる……そんなセックスへの脅えが薄らいでいた。 「優希、もう少し下まで噛んでみて」 「これくらいか?」 「あ。気持ち、いぃな」  ソファに腰掛け、互いの首筋を噛み合った。始めは、交代で。  そのうちに、夢中で相手を求め合うようになった。

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