118 / 127
第七章・37
「幽霊でも怖くないよな。あのお婆さんなら」
「そうだな。また会えるといいな」
アイスティーをストローで吸いながら、要人は眼を閉じ心の中で老婆に語りかけた。
(おかげさまで、Bの入り口まで到達しました。今度はぜひ、Bの中ほどまで……)
そんな彼の足もとに擦り寄ってきたのは、やけに丸々とした黒猫だった。
にゃあ、と要人に鳴くその声は、がんばりなさいよ、とあの老婆が応えてくれたように感じられた。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
118 / 127
ともだちにシェアしよう!