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「俺の事欲しいんだよね。ちゃんと、受け取るよ? 璃都の気持ち」
「えっ……」
はぁ、となんだか熱っぽい吐息を吐き出した樹は、じりじりと顔を近づけてくる。樹の瞳の奥底に怪しい光を見た。
え、受け取るって、それってどういう意味で……?
シーツに縫い止められた俺に馬乗りになった樹は、顔の横に置かれた俺の両手に指を絡ませてくる。
俗に言う恋人繋ぎってやつだ、と思っていた次の瞬間、唇を塞がれていた。
「んっ? ん……んっ」
初キスだ。
え、おめでとう俺。人生で初めてのキス。
顔の角度を変えながらこんなに舌も絡ませあって……って、嘘、俺、樹にしてるんじゃなくて、樹にされてる…?
粘膜の触れ合う音が卑猥に耳に響く。口腔を貪られ、唾液を飲み込まれるくらいに激しく中を蹂躙している、樹の舌。
ぷは、と一旦顔を上げた樹は、俺の顎をくいっと持ち上げた。
「璃都、舌、ちゃんと出して」
「え、お……おぉ」
また樹の顔が下りてきたので目を閉じ、言われた通りにさっきよりも舌をつき出す。
すると樹はあろうことか歯を立ててきた。
しかし痛みを感じる手前までの甘美な痛み。心地良くて、つい喉の奥を鳴らしてしまう。
(ま、待て……樹、なんでこんなにキスうまいんだ?)
俺はずっと、樹の隣にいた。
俺の知らない所でパートナーを作っていた可能性はない、絶対に。
ならこいつは、元々の素質があるっていうのだろうか。
膝をもじもじとすり合わせる。
キスだけで反応しまくっている俺。本来なら俺が上になって樹に仕掛けていたはずなのに。
何度も何度も角度を変えられ、その度に口の端から唾液が漏れた。
息苦しさから顔を少し背けると、樹もようやく開放してくれて、唇からはどちらのものか分からない透明な糸が引いた。
樹は余裕といった表情でニッと微笑む。
……知らない。こんな扇情的な樹の表情、見たことがない。ついさっきまでの天然アホ狸の樹はどこに行ったんだ?
そうこう考えているうちに、Tシャツを捲られてピンク色の突起を露出させられてしまったので、俺は首を横に振った。
「ちょっと待て樹! お前……実は初めてじゃないだろ。怒らないから正直に言ってみろ」
「え、何言ってんの。初めてだよ。キスも、エッチな事も」
「ん、あ、あぁ!」
突起を舌で濡らされて、思わず声を上げる。
樹はそこを唇で挟んだり甘噛みをしたりして、緩く刺激を与えてくる。
される度にそこから電流が全身に流れて、意思とは裏腹に体がビクビクと跳ね上がった。
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