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マイナスから。⑥

事務室を後にした俺は、適当に学内をブラつくことにした。 歩いていれば一ノ瀬に会えるかもしれない。 時間的に午前の講義が終わったのだろうから食堂に行けば見つけられる確率は上がる。 あいつが学生の頃から変わっていなければ恐らくは食堂に来る。 俺は食堂だろうと思われる場所に向かった。 昼時ということもあり、そこは学生が多く集っていた。 大学というだけあって、誰も俺を気にもとめない。 一般の人間がいてもバレないだろう。 これなら目立たずに探せそうだ。 ただ居るというのも何かと思い 軽く腹に入れようと学食内のカフェでコーヒーとサンドイッチを注文する。 やはり、というかなんというか 食堂ホールは賑わってきて混雑してきた。 どこか落ち着いて食べられる場所はと見渡すも、当然だが学生だらけ。 俺はため息を吐いて、カフェの隅の席へ腰を落ち着ける。 ここなら、食堂の全体を見渡すことも出来るだろう。 (もし、今日会えなかったとしても、他にも方法はある) そう思いながら俺は黙々と食べ始める。 「すみません、ここ、いいですか?」 不意に声をかけられるも なんの気なしに見ていたスマホに目を向けたまま 「あぁ」と返事をする。

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