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第3話 秘密の土曜日・9
「この淫乱小僧。催眠なんて初めから必要なかったんじゃねえか」
からかうように言えば、炎樽がかぶりを振って「違う違う違う!」と喚いた。その顔は爆発しそうなほど赤く、俺の方にまで汗が飛んでくる。
「違わねえよ。ちゃんとしゃぶってやるから、じっとしてろって。傷付いても知らねえぞ」
「たっ、天和のアホ!」
暴れる両膝をヒョイと持ち上げ、いとも簡単に炎樽の股を開かせる。ついでに短パンと下着を脚から抜いて放り投げ、思い切りその中心へと顔を埋めた。
「ひっ、あ──!」
「すっげえ勃起してる。そんなフェラして欲しかったか?」
「違うってば!」
「言えばいつでもしてやるからよ。授業中でも、電車の中でも、道端でもさ」
ヒクヒクと痙攣する炎樽のそれを根元から舐め上げ、先端の穴を軽く啄む。浮かせた尻の穴に指を突き立てようとして「入れるな」と言われたのを思い出し、仕方なくその指を竿の根元に絡ませた。
「はぁ、……夢魔じゃねえけど、堪んねえなこの匂い」
「な、舐めながら喋るなっ……」
「喋ってねえで舐めろって?」
「んあぁっ……!」
ただイかせるためのフェラじゃない。少しでもいいから炎樽の気分を高めてやりたい。この瞬間を悦んでもらいたくて、俺の存在を記憶に深く刻んでもらいたくてつい余計に長引かせてしまう。
こんな気持ちになるのもお前だけだ。言えばいいのに、煽るような言葉しか出てこない。
「我慢しねえで色んな汁出せよ。全部啜ってやるからよ」
「ひっ、──やあぁっ、つ、強過ぎだって……!」
床に両手を付いて体重を支え、口に含んだ炎樽の先端を激しく啄み、吸い上げる。腰を浮かせて乱れる炎樽はやっぱり魅力的で、一時的でもこれを独り占めできていると思うと股間の張りがキツくなった。さっき炎樽に咥えられていた時、射精しなかったから尚更だ。
「炎樽、立って壁に手付けるか」
「た、たてない……」
「膝立ちで、ソファに上半身だけ伏せてくれればいい」
この精と性欲の匂いが充満する部屋で、未だ能天気に寝ているマカロ。酔っているのかその頬は赤く、涎も垂れ流し状態だ。
炎樽がマカロを隠すように例の短パンを被せ、ソファに身を伏せた。
「ケツもう少し上げろ」
「挿れるつもりかよ……」
「違げえよ。そうしてえけど、お前に嫌われたら本末転倒だからな」
膝立ちでこちらへ向けられた炎樽の尻を撫で、その割れ目に自信の反り返ったそれを滑らせる。両手で広げた左右の尻の肉に挟んで擦りながら、俺は荒い息を吐き出した。
「ん、ん、やだ……」
「股の隙間に入れるから、ぎゅって締めろ」
「い、意味分かんないっ……」
後ろから玉を擦るようにして自身を差し込み、前に回した手で俺と炎樽のペニスをまとめて握る。
「やっ、天和、これ、……」
「素股なんか本当は教えたくねえんだけどな」
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