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約束2

・・・・・・・・ 翌日、家に入ると目に入ったのは圭吾の笑顔で俺は思わず笑みをこぼした。 以前に圭吾にされた行為を忘れたわけではない。家を見た瞬間に足が竦んでしまったのは事実だ。だから、その笑顔で安心してしまう。 「部屋に入ってて良いから」 圭吾は台所の方に行ってしまったので、俺は一人で部屋に向かう。部屋のテーブルにはお菓子が乗っていた。思ったよりも本格的に準備してあり、懐かしい気持ちになる。一際、目立つショートケーキはいかにも誕生日らしいものだ。 「なんか…誕生日とか久しぶりだよなぁ。」 高校生になってからは誕生日なんて気にしなくなっていたし、祝ってくれる友人もいなかった。最後にしたのはいつだっけとそんな事を考えて待っていると圭吾がやってきた。 「お待たせ。」 圭吾の両手にはお茶が入ったペットボトルに二人分のコップ。それをテーブルに置くとお茶を入れた。俺は一口お茶を飲み、喉の渇きを潤す。 「誕生日、おめでとう。」 「あ、うん、ありがとう…。」 あらためて、面と向かって言われると恥ずかしくて、下に目線を向けた。顔が熱い。すると、圭吾は俺の手に自らの手を重ねた。その手は驚くほど冷たい。 「実はさ、入学式の時から俊哉に目をつけてたんだよ。」 俊哉とは入学した時から同じクラスで、俊哉から話しかけてくれて今まで仲良くしてきた。目をつけてきたって、どういう事だろう。俺はわからずに首を傾げた。 「俺も男が好きなんだよ。でも俊哉も同じだなんて思わなくて、告白された時、すぐに本当の俺がでちゃったんだ…もしかしたら、本当の俺を見たら俊哉は逃げるかと思って試したんだ…本当にごめん。でも俊哉なら、本当の俺も受け入れてくれるよね?」 圭吾は笑ってるが目が笑ってない。俺は恐怖で後ろに下がろうとしたが、俺の体は何故か力が入らずに床に倒れてしまった。ぶつけた二の腕が痛む。とっさに立ち上がろうとしたが、それは出来なかった。 「あ…、え?」 体が動かない。それに言葉も上手く発する事が出来ない。思うように動かない体に焦りと不安で動揺が隠せずにいる。そんな俺を圭吾は抱き上げて、ベッドの上に乗せた。 「お茶にいれた薬が効いたのかな。これから、本当の俺で俊哉を愛するよ。だから、もう逃がさない。俊哉は俺の物だ。」 圭吾は俺が着ていた服に手を掴み、すぐそこにあったハサミで切り始めた。鉄の冷たい感触が更なる恐怖に陥れる。服はすぐに布切れに姿を変えてしまった。 体が動かないのは先程のお茶のせいらしい。なぜ、圭吾はこんな事を、と考えたが答えは出ない。 「や…っ!」 抵抗出来ないままあっという間に服は脱がされてしまった。何も纏わぬ状態で俺は圭吾を不安げに見た。本当の、とはどういう意味だろう。圭吾は何も言わずに笑みを浮かべていたため、さらに不安になった。 「俺から俊哉へプレゼントがあるんだけど、受け取ってくれる?」 圭吾が取り出したのは銀色に光るピアス。俺はまともなプレゼントに少しホッとした。また見知らぬ誰かに犯される思ったからだ。それに比べれば耳に穴を開けるくらいたいした事じゃない。 「もう、他の誰の前で裸になれないように。所有物の証を此処に付けてあげるね。」 圭吾は俺の陰茎を指差した。俺はその箇所を指差され、顔を青ざめる。その間に圭吾は着々と穴を開ける準備をしている。逃げようとしても体が動かないし声もでないため、圭吾の動きを見るしかない。 「や…、てっ…!」 「ちょっと痛いかも。」 圭吾はすっかり萎えてしまった俺のモノに手をかけた。恐怖で体が震え、そして、刺された瞬間俺は声にならない悲鳴を上げた。強引に皮膚に穴が開けられる感触がダイレクトに伝わる。あまりの痛みに涙が溢れた。 「~~っ!ぅあ……ひっ……」 呼吸が上手く出来ない。針が貫通した頃には俺はグッタリと浅い呼吸を繰り返すばかりだった。 「似合ってるよ、俊哉。」 俺のモノから血がピアスを伝って流れる様子を見て、圭吾がうっとりした様子で俺の髪を撫でた。圭吾は流れる血をすくいとると俺の腹に拭い付ける。 「俊哉は肌が白いから赤が映える。」 その言葉に俺はぞっとした。 圭吾はいつの間にか手にショートケーキを持っていて、スポンジを掴むと指ごと俺の口内に突っ込んだ。甘い味も感じたがそれよりも苦しさの方が勝った。吐き出そうにも指が邪魔をして吐き出せない。 「美味しい?」 圭吾は答えを聞かないまま、俺の腹にケーキを乗せると、潰すように塗り付けてくる。そのまま胸の突起に塗り付け何度も弄繰り回す。時には口に含み、千切れるのではないかと思うほどに歯を立てた。もう、思考はドロドロに溶けていて、胸の突起とクリームと苺と血のコントラストが妙な気持ちにさせる。 そして圭吾は後方に何かを当てた。目線を下にやると当たっている物が圭吾自身だと知って俺は再び顔が青ざめる。慣らしもしない箇所にいきなり入れれば間違いなく切れる。しかもこの5日間、誰とも体を重ねていない。 「あ…ああ!!」 圭吾はこじ開けるかのように無理矢理侵入してきた。俺の後方からは嫌な音がする。明らかに切れてる。激痛が全身を襲った。 「キツ…でも全部入ったから安心してよ。温かいよ俊哉の中。」 俊哉は無理矢理中の物を動かした。ピリピリと中が傷ついてるのがわかる。俺は痛みで涙や汗がとめどなく流れている。俊哉は血を潤滑油代わりにして、さらに動きを早めた。 「うあ…あっ!」 「俊哉の此処、赤く染まって凄く綺麗。」 圭吾はそう言って俺に口づける。俺は諦めにも似た気持ちでそれを受け入れた。もう、逃げられない。意識を失う直前、俺は何故か江藤の顔を思い浮かべ、意識を失った。

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