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学校

今日はいつもより、一時間以上早く学校に来ていた。この時間帯はまだ人が少なく、聞こえるのは運動部の朝練の掛け声のみである。この時間に学校に来たのは初めてで、瞼はやけに重い。この時間に来た理由は圭吾に呼び出されたからだ。場所は化学準備室で、妙な指定場所で嫌な予感がしたが、かえって心の準備が出来たと思う。 俺よりも早く圭吾は化学準備室にいた。俺は圭吾に手招きされると操り人形のように足が動く。 「昨日、江藤に関わるなって言ったよね?何で約束守れないかなぁ?」 俺は圭吾の冷たい眼差しに息を呑んだ。圭吾は俺と江藤が話しているところを目撃したらしい。けれど、あの後ちゃんと江藤には関わらないで欲しいと伝えたと、圭吾に言おうとしたが圭吾は聞こうとはしなかった。かえって火に油を注ぐように圭吾の怒りを煽ってしまう。 「お仕置き…しなきゃね。」 そう言うと圭吾は紙袋から何かを取り出す。俺はそれを見た瞬間目をそらしたくなった。 なぜ、圭吾がそのような物を持っているのか理解できない。 圭吾が持っていたのは蛍光ピンクの色をした、親指ぐらいの大きさの楕円状の物体――。 所謂、ローターという性玩具で実物は初めて見た。 「なに…?」 「下、脱げる?」 出来ない、とは言えなかった。もう体が圭吾の言うことを聞いてしまうのだ。逆らえばもっと酷いことをされると体は覚えている。パブロフの犬の様だとぼんやりと思った。 俺がスラックスを脱ぐと、圭吾はボクサーパンツと尻の間に手を滑らせる。指先で後孔に触れると指先で縁をかるくなぞった。 「あはは、ちょっと腫れてる。」 自分では見えず、あまり触れない場所を他人に指摘されるのは恥ずかしく、恥ずかしさを紛らわすために圭吾の制服の裾をギュッと掴む。圭吾はパンツをずらし、オイルのような物で後孔を濡らすと、俺の後方に指をゆっくりと挿入しはじめた。緩くなった孔は簡単に指を飲み込んでいった。簡単に指で解すと、ローターを指で孔に押し込んだ。吸い込まれるように中に入ったそれは、異物感という表現がもっとも当てはまった。 「う、っあ…取って、よ、圭吾。」 「もっと奥まで入れて欲しいの?」 圭吾は俺の言葉を無視してローターを指で押して、更に奥まで侵入させた。俺の体は弓なりに反応を示し、力が抜けた体は圭吾に寄り掛かるしかなかった。 「昼休みまで、このままな。」 「無理だ、お願い、圭吾…もう江藤に近付かないから…っあっ…ひっ!!」 何度も謝罪したが圭吾は取ってはくれなかった。中の物が振動し始めて、そのまま床に座り込んでしまった。ローターは座ったことによりちょうど前立腺の辺りを刺激して、俺は無意識に腰が浮く。 「信用ならないな。勝手に取ったら分かってるだろう?」 「取らないから、振動はやめてくれ…っ!」 圭吾は仕方ないなと言ってローターの動きを止める。それにほっとして、圭吾を見上げた。圭吾は手を差し伸べて俺を立たせた。ローターの異物感に顔を顰めていると、俺のモノについたピアスを指に引っかけて軽く引っ張った。突然の刺激に小さく悲鳴を上げる。 「外さないで偉いな。じゃあ、昼休みに。」

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