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学校3

次の日、珍しく圭吾が休みだった。不思議に思っていたら、一人の女性が近づいてきた。腰まで伸ばした黒髪が凄く綺麗だけど、性格がキツそうで雰囲気から苦手だ。 「ねぇ、貴方が俊哉?」 品定めするような目線。気持ち悪い事この上ない。俺は話をさっさと終わらせようと話を切り出した。 「圭吾と弘明のアノ事件の理由、貴方知ってる?アタシには全然わからないの。」 「事件?」 「昨日、圭吾を弘明が殴ったの!!」 苛立ちを隠せずに女は少し大きめの声で言った。教室が静かになる。 たぶん、事件の原因は…俺だ。 「知らない。それより、アンタは誰?」 「バスケ部のマネージャー!」 口ではそう言っていたが、たぶん彼女は二人のどちらかに恋愛感情を持っていると直感的にわかった。あの二人はもてる。彼女は黙り込んだ俺に苛立ったように教室から出て行った。すぐに教室がざわつき始め、目線が痛くて教室から離れた。 江藤は自宅謹慎で圭吾は休み。俺が江藤を巻き込んでるんだ。 江藤に諦めて貰うには…。 「珍しいな、俊哉が自分から俺のもとに来るなんて。」 夕方、俺は圭吾の家に向かった。圭吾の頬には大きなガーゼが貼ってあって、痛々しく感じられる。 「お願いがある、圭吾。俺の事をどんな風に扱ってもいい。だから、俺を江藤の前で犯してくれ…。」 自分で言うのも馬鹿らしくなるようなお願いだ。けど、江藤に諦めて貰うにはこれが一番だと思う。汚い、俺の体を見ればきっと江藤は俺を軽蔑する。 「ふーん…いいよ。明日の放課後、うちに来いよ。あいつは学校にいけないからな。あ、そうそう…俊哉の為に新しいピアスを買ってきたんだけど、付けるよな?」 俺に拒否権はない。俺は自ら服を脱いだ。服がパサリと床に落ちる。俺は自ら圭吾の体に手を絡め、体を開いた。もう、とことん汚して、真っ黒になるまで汚してほしかった。 圭吾は簡単に消毒をするとピアッサーで一気に貫いた。脳を揺さぶるような痛みに、引き攣るような悲鳴が上がる。その痛みが治まらないうちにもう片方も開けた。 俺の両方の胸の突起には銀色のピアスが光る。動く度にヒリヒリと痛む。胸からは血が流れ落ち、痛々しい。圭吾は胸のピアスを力任せに引っ張った。 「いっ…ああ!!」 胸が引きちぎられるんじゃないかと俺は恐怖を感じた。そのまま、性行為をして、快楽が全身を駆け抜けた。汚い――。その言葉が脳内でエコーする 次の日も二人は学校には来なかった。やはり、一人は寂しい。そんな事を考えつつ昼休みを過ごしていると突然、誰かに肩を掴まれた。 「久しぶり、坂下。」 伊野だ。伊野は俺を引っ張って、俺を屋上に連れ出した。おそらく、バスケ部…あの二人の事だろう。 「何のようですか……?」 「そう、硬くなるなよ。聞きたい事があるだけだから。あと昨日はマネージャーが悪かったな…。」 俺は昨日の事を思いだし、首を横に振った。一番悪いのは俺なのだ。伊野が何を言いたいのか分かる。ここに来る間に薄々気づいていた。 「圭吾と弘明の事ですよね…?」 伊野は戸惑いながら肯定した。やっぱり、バスケ部員が殴り合いをしたなんて明らかに変だ。二人はそこまで仲が悪いわけではない。 「弘明は坂下の名前を呼びながら、圭吾の事を殴った。だから、マネージャーもお前の所に行ったんだ。」 罪悪感に押し潰されそうだ。けれど、伊野にどうやって説明すればいいのか分からない。圭吾の性癖は多少は知っているとは思うけれど、詳しくは知らないと思う。俺が言っていいのかも分からない。俺は首を横に振るしかなかった。 「悪かったな。そういえば…坂下、その…最近色っぽいな。お前が思っている以上に噂になってるし。男に言うのも複雑だけど、俺もそう思う…。」 そんな…。俺は自らの体を見た。じゃあ、クラスの奴らもそう思っていたのだろうか。そういえば何だか纏わりつくような視線を感じたような気がする。そう、考えた瞬間気持ち悪くなった。みんな、そんな目で俺を見ていたなんて信じたくなかった。 「呼び出して、悪かったな…じゃあな。」 伊野が俺に背中を向けると同時にめまいに襲われた。頭がガンガンする……それにダルい。何だろ、コレ?そんな事を考えていると俺は地面に倒れてしまった。その音に気がついてか鳥居先輩が駆け寄ってきた。 「どうしたんだ、坂下!」 伊野の声と共に俺は意識を失った。そういえば、朝から何だかダルかった気がするけど思ったよりも重症だったのかもしれない。

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