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俺の気持ちをわかってください。

「あ、これ」 「へ」 「薄くなってますね、今夜つけ直します?」 腰骨辺りにつけた所有の痕。歯型と一緒に薄紫になったキスマーク。 遥さんの喉仏が大きく上下に動いた。 「お前さ」 「はい」 「最近噛むよな、なんで?」 俺から視線を外しながら遥さんが聞く。 遥さん、照れた顔は鏡で丸見えです。 頬と耳を赤く染めた遥さんの腰に手を伸ばす。 「嫌?痛いですか?」 「そりゃ……噛まれたら痛いだろ」 「嫌だったら止めますけど、止めます?」 鏡の中の顔、眉毛がきゅんと下がった。 「その聞き方は…ズルい」 「遥さん」 腰を引き寄せる。 赤くなった耳に口を寄せ、あざとく囁いた。 「買い物飽きたんでしょ?帰りましょ」 「ま、だ、何にも買ってない」 「…仲良ししたくなってません?」 俺の耳が痛いと叫ぶほど引っ張られた。 「その声、やめろって」 「わざとです」 「……っ!」 遥さん、わかりませんか? 何年一緒にいようが、付け入る隙があるなら俺は絶対見逃したりしません。 何年経っても何度抱いても飽きるどころか、おかしくなってるんじゃないかと思うほど今でも毎日あなたを好きなままです。 おはようやいただきますと当たり前に口にするのと同じくらい伝えているのにそれでもわかってなさそうなあなたに伝えるには……わかりますよね? ニヤリと笑った俺の頬を遥さんが引っ張る。 「なんだよ、その顔」 「わかりません?」 ぐっと遥さんが言葉に詰まる。 「あ、明日仕事だからな!ちゃんと手加減しろよ!」 「はい!」 甘え上手なこの人は、それだけじゃない。 ちゃんと俺の許し方もわかっている。 遥さん、好きです。大好きです。 「顔に出てる!わかってるってば、俺も…好きだよ…」 試着室から出る遥さんが俺の髪を雑に撫でながら拗ねたように言った。 あなたより俺の方がもっとずっと好きですよ。 帰ってからゆっくり愛を囁きますね。 そう耳打ちした俺の鼻を摘んで遥さんがばーかと笑った。

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