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俺は心配なんです。
「遥さん、昼飯は俺が買ってきますって」
「なんで」
事務所から出て昼飯を買いに出る。
一緒に行こうと言った俺を侑司が止める。
「外出たら汗が吹き出ますよ」
「うん、だろうな」
「汗かいたらちっ、…透けるじゃないですか」
「あのな」
ため息が出た。
またその話しに戻るのか。
「一般的に男の乳首に需要はない!あるのはお前くらいだ。例え透けてたとしても見ない。見るのもお前くらいだ」
「何を言ってるんですか!他の乳首なんてなんの興味もないです!俺が興味あるのも見るのも遥さんの乳首だけです!」
「堂々と変態アピールするな!」
エレベーターの中で良かった。
侑司の頭を叩くと同時にエレベーターが一階についた。
事務所が入ったビルの一階にあるコンビニにむかう。
「暑いでしょ」
侑司が呟く。
コンビニに入る。
「涼しいでしょ」
「…?」
「……勃つんじゃないですか」
もう一発頭を叩いておいた。
「いい加減乳首から離れろ!」
「………はい」
いたずらを叱られた犬のように項垂れた侑司を見て頭を撫でる。
心配しなくてもお前のだから。
そう囁くとくしゃと顔を崩す俺の好きな笑顔を見せた。
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