12 / 215
俺は心配なんです。
仕事を終えて家に帰る。
夜になっても暑い。
身体に纏わり付くような湿気を伴う暑さに顔を顰めながら、部屋に入り鞄を置いて風呂場に向かう。
Yシャツを脱いでいると着替えを持って侑司が入ってきた。
ありがとうと礼を言った俺を侑司の腕が後ろから囲うように抱き締めた。
腹に回された手が撫でながらするりと上がる。
「ちょ、っと待て、」
首筋を侑司の唇が食みながら動く。
押さえている俺の手を諸共せず胸まで上がり、まだ勃ち上がってもいない突起に触れる。
「んっ…」
ほとんどない爪に引っかかれるようにされ思わず漏れた声に侑司がふっと笑いを零した。
「こんな敏感なのにYシャツ一枚とか襲ってくれって言ってるようなモンですよ」
…………まだ諦めてなかったのか。
「いや、だからさ、俺の乳首に関心あんのはお前だけだって」
「抱かれた後や次の日、自分がどれほどフェロモン出してるか気付いてないんですか?」
「そんなの気付く訳ないだろっ」
「真由ちゃんガン見してますよ」
「知るかっ」
話してる間も侑司の指は休まない。擽るように動く指に意志とは関係なく勃ち上がる突起を意地悪な指が摘んだ。
「んっ、やめろって。シャワーしたいんだって!」
「明日からTシャツ着ます?」
「暑いからやだ!」
「強情ですね。…乳首でイカされたいんですか?」
耳に熱い息と共に囁かれ腰が抜けそうになった。
まだ夕飯も食ってないのに、脱衣場で乳首をさんざん弄られ、Yシャツで隠れるギリギリの箇所に無数の赤い痕をつけられる。
Tシャツを着ると半ば泣きながら叫ぶように言った俺を解放して、侑司がいい子と髪を撫でる。
腰が抜けた。
涙目で立ったままの侑司を睨む。
しゃがみ込み、俺に目線を合わせた侑司がまたあの声で囁く。
「ご飯にします?シャワーにします?それとも…仲良しします?」
くそぉ……
さらに睨みつけるような視線を送る俺に、シャワーと仲良し一緒って手もありますよ、と侑司が笑う。
「しゃ、シャワー…」
「……遥さん?」
「…………………仲良しも、一緒で」
はい!と笑った侑司に全身を剥かれ風呂場に連れ込まれた。
脱水症状を起こすかと思うほど長くいた風呂場で侑司は優しく厭らしく俺を泣かせた。
Tシャツ着ない、なんてもう二度と言わない。
リビングのソファに寝かされ口移しで飲まされる水を飲み込みながら一人誓った。
ともだちにシェアしよう!