19 / 215
※煽られるままに抱かせてください。
「なぁ、こら…」
「ダメですか」
首筋を上がった唇が熱い息を吐きながら問う。
「まだ昼間!夜まで待てって」
「今更、ですよね」
この、すぐにスイッチが入る侑司と、侑司にすぐにスイッチを入れられる俺。
しっとりとした手のひらで撫でられる身体が期待で粟立つ。
「遥さん……」
あぁもうこの声……
身体が反応する。
甘く囁く声が欲しい。もういいと言っても好きだと言い、これ以上ないほど大切だとでもいいたげに名前を呼ぶ甘い声。
大切そうに触れるくせに確実に熱を持たせる手。
名前を呼ぶ唇が舌が厭らしく意地悪に翻弄させる。
結局強請るのはいつも俺、他には何もいらない、侑司の熱だけが欲しい……
侑司の首に腕を回し、開いた唇を重ねようとした瞬間ーーーーーーインターフォンが鳴った。
ともだちにシェアしよう!