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※煽られるままに抱かせてください。

寝室に俺だけ連れ込まれ、リビングには未だに腕に航を抱いた侑司を残し、華さんがニヤリと笑う。 「この三連休、近くの神社で夏祭りやりよるの知っとる?」 「あぁ、毎年やってるやつ?」 「そう、そこ行ってこんけん。どうせ暑いけん家でダラダラしよるんやろ」 言葉が出ない。 「うちらも朝から行ったんよ。暑いし人混み凄いし、けど、たまには特別なお出かけしてその季節ごとの思い出を作ってあげるのって相手にはもちろん、自分にも大事なことやない?」 華さんの言葉に素直に頷いた。 「男同士がなんなん!別に外で催せって言いよんやないんやけん、イチャつかん程度にお出かけしてきたら?」 と言う訳で。 華さんは嬉しそうに笑い、大きな荷物から何かを取り出す。 「お洒落も大事やろ」 好意だとわかっているのに、それだけではないんじゃないかと腰が引けるあの笑顔が怖いのはきっと俺だけじゃない………

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