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いつまでも敵わない。
「お風呂ですると汚れてもすぐ綺麗にできるからいいですよねー」
俺の髪を乾かしながら侑司がご機嫌な声で言う。
風呂場でさんざん可愛いがられた俺はもうぐったり。
「……俺はベッドがいい」
「身体が楽だから?」
「風呂だとお前をぎゅーできないだろ…」
「遥さん…」
「せっかく…そういうことしてんだからぎゅーしたいじゃんか」
ドライヤーが止まる。
もう乾いた?と振り返るとキラキラした目で侑司が俺を見ていた。
「遥さんっ、さっきほとんどぎゅーできなかったですよね!ごめんなさいっ」
「い、いや、いーよ、別に」
「ベッド行きましょ、ほら」
「いーってば!てゆうか、もう無理だって!」
また侑司が俺を抱き上げる。
「え、したいんですか?」
「ちがっ」
「とりあえずベッド行ってぎゅーしてから考えましょう、ね?」
嬉しそうに笑いながら寝室に向かう侑司を見てため息をついた。
「侑司」
「はい」
「……好きだよ」
「俺も遥さんが大好きです」
首に腕を回し抱きつく。
お前の熱も匂いももう馴染みすぎだよ…
「あんまり激しくすんなよ…」
「……はいっ」
ソファに転がったままのドライヤー。
たぶん俺が落ちた後侑司が片付けるだろうなと思いながら寝室のドアがゆっくりと閉まっていくのを眺めた。
たくさんの溶かすような言葉と共に抱かれ落ちる予感に身体を震わせながら……
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