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※俺はあなたに酔いっぱなしです。
タクシーで帰るまでの僅かな間に雨が強くなる。
タクシーの中でも俺の膝の上で抱っこされたまま動かない遥さんはそのまますやすやと寝息を立て始め、
バックミラーでチラチラと後ろを確認する運転手さんとの気まずい空気に耐えきれず、強い雨に濡れほとんど見えもしない外を眺める振りをして家までの時間をやり過ごした。
タクシーを降ろす時に起きた遥さんはやっぱり抱っこと甘え、抱えたまま部屋に帰り息を切らせながらベッドに寝かせる。
スーツを脱がせネクタイを抜きYシャツのボタンに手をかける。
「……えっち」
遥さんの声に思わず笑いが漏れた。
「じゃあこのまま寝ます?」
「……やだ」
「じゃあ大人しくしてて下さい」
「あとで……ちゅーしてくれる?」
「……はい」
ニコッと笑った遥さんはそのまま俺に身体を預けた。
ボタンを外しYシャツを脱がすために遥さんの身体を起こす。首筋に顔を擦り寄せる遥さんに耐えながらYシャツを脱がせ下に着ていたTシャツも脱がせた。
あえて意識しないように視線を外し部屋着に着替えさせると遥さんをそっと寝かせる。
眠たそうなとろんとした目、瞼を少し持ち上げる遥さんに触れるだけのキスをすると、遥さんは微かに笑った後すぐに穏やかな寝息を立て始めた。
「おやすみなさい」
額にもう一度キスをしてそっと寝室を後にした。
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