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※俺はあなたに酔いっぱなしです。

「ちゅーしていい?」 もう数え切れないほどしてきたキス。 それでも時々こうやって改めて尋ねる遥さん。 愛しいと思う気持ちはどこまで深くなるんだろう。 伝えても伝えても伝えきれてないと思う気持ちは、いつか満足する日がくるのだろうか。 「キスしたらたぶん…最後まで抱きますよ」 イベントに向けての準備やスタッフさんとの確認作業、どこまでも終わりの見えないような現地スタッフさんとの連携確認に追われ、しばらく遥さんに触れてない。 がっついてしまいそうな欲をギリギリのところで押さえ込んでいる。 服を脱がすことすらもどかしい。きっと貪るように抱いてしまう。 もういいと根を上げるほどの愛を告げる言葉と、溶けてしまいそうな快感しかこの人には与えたくないのに。 ちゅ、と音を立てる触れるだけのキスを唇に落とし遥さんが笑った。 「欲しいと思ってるのがいつもお前だけだと思うなよ」 今日は俺がする。 遥さんがそう言っていつになく妖艶な笑みを浮かべた。

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