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※俺はあなたに酔いっぱなしです。
「お、俺がするって」
「しーっ」
ふはっと笑った遥さんの両手が俺の頬を包む。
柔らかく重なった唇は上唇を食んだ後ぺろりと舐めた。
早く深いキスをと思わず伸ばした舌からするりと逃げた唇は頬に滑り音を立てるキスを何度も何度も場所を変えて顔中にされた。
「今日はお前は動くなよ」
「えっ」
驚く俺を見て遥さんがまたふはっと笑う。
「大丈夫、挿れたりしないって」
ぐっと顔を寄せられるとふわりと酒の匂いがした。
「欲しいのは……俺だから」
伏せた目が濡れている。
その目が閉じきるのを見る前にまた唇を重ねられた。
今度は重ねてすぐに熱く濡れた舌がそっと入ってきて夢中でそれに絡みにいった。
吸い、舐め、喉を鳴らして流れ込む唾液を飲んだ。
体温を分け合うように強く裸の遥さんの上半身を抱き締めながら。
「まだ酔ってます?」
「ん……」
「そういうことにしといてあげます」
そう言って笑う俺に遥さんも笑い、また目が伏せられた。
近づく熱に、動くなと言われたのも忘れ、細い項を捕まえて貪りついた。
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