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※俺はあなたに酔いっぱなしです。
翌朝遥さんが目覚めるまで隣で寝顔を眺めた。
いつも俺より先に起きる遥さん。
寝顔を見られるなんて幸運は休みの日か前日に俺が無茶をした時くらいだ。
相変わらずの長い睫毛がふるっと震える。
ぴくぴくと細かく動いた睫毛が僅かに持ち上がる。
寝返りを打ち、無意識に俺に寄り添う身体を微笑んでしまいながらもそっと抱き締めた。
「ん……」
「おはようございます」
「お……はよ」
一瞬で視線を外した遥さんを見て確信した。
これは覚えてる。
思わずニヤリと口角が上がる。
「昨夜のこと覚えてますか」
「な、にを」
「昨夜のめくるめく熱い情事です」
「めっ!?そ、んなのしてない!」
遥さんがぷいっと身体ごと反対側に向いてしまった。
赤くなった耳に噛りつくと、びくっと身体を揺らした。
「またそんな下手な嘘ついて」
「あ、当たってる!離れろよ」
「俺の形思い出したんですよね?忘れないようにも一回しときます?」
「お前、あんなにしたのにまだ…」
思わず振り返った遥さんにニヤリと笑ってみせると深いため息を吐いた後遥さんが身体ごと俺の方に向き直る。
「…ごめんなさい。ちゃんと覚えてる。けど、えと、……恥ずかしいから揶揄うな」
俺の胸に顔を埋めた遥さん。
いつまでも可愛い。
いつまでも愛しい。
酒なんか飲まなくても俺はずっといつでもあなたに酔えるんです。
「遥さん、愛してます」
髪を撫でる俺の手を取り、遥さんが指にキスをした。
もう何年もそこにある少しくすみ傷も増えた指輪ごと。
俺も愛してる、と照れた声で返され強く抱き締めた。
しばらく抱き締めあっていた俺の腹が鳴る。
昨夜の激しい運動のおかげか、一度鳴るとギュルギュルと催促をやめない。
顔を見合せ噴き出すように笑ってからベッドから起き上がった。
「朝めし、用意してきます。遥さんはまだ横になっててください」
頬を撫でる俺に遥さんがニコリと笑った。
「飯の前にもう一回……抱っこ」
「……はい!」
この人がいつでもこう言って甘えられる俺でいたい。
緩む頬のまままたベッドに戻り、強く強く遥さんを抱き締めた………
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