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※いつまでも特別で。大人Ver.
「………何」
「遥さん、お尻ちっちゃいですよね」
「そうか?」
「ぷりんとしててきゅっと上がっててかわいいです」
「あんまり嬉しくねーな……」
休日の朝っぱらから生の尻を男二人眺めるというシュールな会話をしていると俺の腹がぐーっと鳴った。
「ちょっと待て」
「何を待つんです?」
「飯もこれで作ったり食ったりすんの?」
「そうですよ。そういう約束でしょ」
やっぱりか。
「食うのはまぁいいけど、作るのは危なくねーか、油とか」
「そ、それはダメです!遥さんの肌に火傷とかは許しません!」
「なら、作る時と食う時は服着て…」
「そんな時はアレがあります!」
そう言った侑司がクローゼットに飛び込んだ。
リボンのついた袋を持ち嬉しそうに侑司が戻ってくる。
「それ何」
「真由ちゃんからのプレゼントです」
「だから中身何」
中から出てきたのは白い布。
「エプロンです〜」
「……は?」
ばさっと広げられたエプロンはあちこちがやたらヒラヒラとしている。
「まさか………」
「遥さん、これつけてください」
「やだ!」
秒で断る。
視界がぼやけるほど首を振った。
「お前、こ、こんなヒラヒラのを素っ裸につけたらそれこそ」
「俺の誕生日プレゼントですよね…」
しゅんとした耳と尻尾の幻覚が見える。
「つっ、つけてもいーけど、せめて何か服を」
「遥さん……約束しましたよね……」
きゅ〜んと刹那げな幻聴までする。
「わぁーかったよーーーもうっ!!」
途端嬉しそうにうきうきとエプロンをつけ後ろを縛る侑司にため息を吐いた。
真由ちゃん………恨むよ………………
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