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※いつまでも特別で。大人Ver.
気持ち悪い。
自分の姿を気持ち悪いと思うのは高校の時にやったメイドコスプレ以来だ。
今回はそれをさらに上回る。
白いヒラヒラしたエプロンの下は素っ裸。
いくらプレゼント代わりだとはいえこれはさすがにキツい。
これを着てるなら火傷する方がマシだ。
「侑司、やっぱ」
「はぁ………遥さんエロ可愛いです…」
「あ…あぁ、そう…………………」
うっとりとした表情に声。
止めると言えなくなった。
俺も大概侑司に弱い。
無心だ。
こうなったら無心になるのみ。
飯の支度なんてたかだか数十分あれば済む。
このまま食べるとしたって多く見積もっても一時間弱もあればヒラヒラエプロンから離れられる。
まぁ…脱いだところで素っ裸に戻るだけなのだが………
熱したフライパンに卵を割り入れる。
蒸すのが苦手な侑司のために水は入れず火を弱めて蓋もしない。そのままゆっくりと火を通し半熟より少し硬めに焼く。
別の小さなフライパンを用意し、ベーコンを切って準備しておく。
トースト二枚をトースターにセット。
サラダかスープをと冷蔵庫を開ける。
レタスとササミでスープにするか……
考えてる最中に後ろから腹に回された腕にびくっと身体が揺れた。
「ぅわっ!何!?」
「遥さん……腹が減りました」
「わ、わかってるって!今、もうすぐできるから」
侑司の手が腹から上に徐々に上がる。
もしかしての予感に息も上がる。
「もう、今すぐ食べたいです…」
「じゃ、じゃあトースト先に焼くからそれ食べながら待ってろ!」
「遥さんは?」
「え」
「遥さんは食べちゃダメですか…」
その甘く誘う声は本当にズルい。
抗えないことがわかっているのに逃げる振りをしたくなる。
「……ダメ」
「どうしても?」
侑司は諦めない。
絶対に逃すまいと追いかけてくる。
それが嬉しい。
本当はとっくにその気で俺が誘いたいほどなのに、そんな素振りは見せずにもう一度振りをするんだ。
「飯の、準備してるだろ…」
「遥さん……このまま抱きたい」
耳元で囁く声に腰が重く疼いた。
目玉焼きを焼く火を消した。
微かな音を立てるフライパンから腹に回された腕に視線を戻す。
「ローション……」
「え」
「どうせこのままここでしたいんだろ……ローション持ってこいよ」
「はい!」
頬にチュッとちゅーをした侑司が股間を押さえながら寝室に消えローションを持って帰ってくる。
首に抱きつき早く欲しいと囁くように口にした俺を侑司が強く抱き締めた。
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