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※いつまでも特別で。大人Ver.

「遥さん…」 もう一種の病気だなと笑える。 どれほど欲しいと思っているのかを俺に伝える術を侑司は幾つも持っている。 名前を呼ぶ声。 俺を見詰める目。 頬に触れさせる手。 湧き上がる欲を押さえようと噛む唇。 その全てから好きなんです、欲しいんですと語られると全部与えてしまいたくなる。 どうせ触れられると欲しくなるのは俺もおなじなんだから。 食むようなちゅーに唇を開き侑司の舌を迎え入れる。 濡れた音を連れながら絡め合う舌が互いの唾液で溶けそうに感じる。 舌先が甘く噛まれると腰が疼くのも侑司に慣らされた身体だと思い知らされているようで、 ほんの少しの悔しさとそれを上回るもっとと欲しがる欲のまま侑司に強く抱きつきながら顔をさらに傾け口を開け誘った。 散々絡め溢れる唾液を流れるままに侑司の舌が上顎をなぞる。思わず奥に引いた舌を誘い出すように侑司の舌が去っていくのを無意識に追いかけた。 下唇を吸われ流れ出た互いの唾液を移動した舌が舐めとる。 「侑司……も、触って」 「キスは?もういいんですか」 唇を離せないまま喋る合間にも唇が吸い付く。 「ちゅーもいる、けど、だって…」 言い淀みふと視線を落とすと白いエプロンとそれを持ち上げるようにしながら生地を濡らす性器。そこに擦り付けられるようにされるのは同じくらい濡れた侑司の…… 「遥さん?」 膝の力が抜けたように床に崩れ落ちた。 泣いてるような侑司の性器に手を添える。 「……舐めてもいい?」 「これもプレゼントに含まれるオプションですか」 「……ばか。ただ俺が舐めたいの。……だめ?」 侑司がでかい手で口を覆う。添えた手から跳ねるように性器が震えた。 「え、何」 「あの、思っていたより絵図らがヤバくて……そのカッコで見上げられると」 「お前が着せたんだろ」 「それはそうなんですけど…あの、舐めるのはまた次でお願いします。 今はもう……早く中に挿いりたい……」 頬を髪を撫でる手が指が熱い。 眉を下げ情けなくも見える切ない表情で見下ろす侑司に俺も確かに欲情している。 立ち上がり調理台に手をつく。 どうせもう全てを知り見尽くされている。 口の中に溢れる唾液を飲み込んだ。 侑司を愛するために溜めた唾液はいつもより重く感じるほど甘い。 左手を後ろに伸ばす。 尻たぶを掴み開く。 「………早く、俺も欲しい………」 肌寒く感じていたキッチンの空気が今はもう汗を滲ませるほどに暑かった。

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