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※相変わらず愛しい人。

ため息が出た。 呆れるとかそういうため息じゃない、言うなら萌えのため息。 侑司の濡れた頭をこれでもかと胸に抱えた。 「お前、いつまで俺に夢中なの」 「………いつまででも、です」 「可愛い」 笑いが漏れた。 こういう侑司だからこそ、俺は何も飾らず肩も張らずありのままで愛され満たされていられる。 お前に出逢え、愛されることにもっと感謝すべきなんだろうな。 「侑司、愛してる」 つむじにちゅーをする。 つむじだけじゃもちろん足りない。 でこも頬も鼻にもちゅーをする。 顎にも耳にもちゅーをして、毎日重ねる唇にもとびきり濃厚なのを。 上唇を食んで舌を滑り込ませる。 侑司の舌を舐めて舌の表面を擦りつけるように絡めると、背中を抱いていた手が項に上がり、さらに深いちゅーになる。 お互いの呼吸が荒くなって口の中がさらに熱くなる。 言ってやろーか? 「お前が……」 「え?」 「お前が俺で興奮してくのが一番クる」 「…っ」 侑司の目の下が赤くなるのを見て、そこに唇を寄せながらさらに告げる。 「ダメって言ったけど……本当はダメじゃない。 お前に抱かれるの、好き。お前にされるの、好き。数えきれないほどヤッてんのに、いつまでたってもがむしゃらなセックスするお前が……好き。 働く大人としては不合格でも、お前の恋人としては………合格だろ?」 「遥さん…」 「仲良し、しよ」 「……いいんですか」 伺うような侑司に笑ってみせる。 明日は土曜日。普通なら休みだけど、今週は仕事だ。 それでも。 こんなに盛り上がった気持ちを抑え込んでおやすみなさいなんて笑えない。 「……欲しくないの」 「欲しいに決まってます」 食い気味に答える侑司の口を塞いでやった。 ちゅ、と音を立てて唇を離し、腰を揺すった。 「いつものがむしゃらなセックスな」 「……はい」 侑司の目の中に俺が映る。 お前が欲しくて無意識に噛んでたっての、案外外れてないのかも。 そう言うと、侑司が顔をくしゃと歪ませて笑った。

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