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※いつものMerry Xmas
「遥さん、まだ飲むんですか?」
初めてかもしれない。
今年のXmasは家で過ごしたいと遥さんが言った。
外では手を繋げないどころかキスもハグも出来ない。
俺としては願ったり叶ったり。二つ返事で了承した。
が、明日も仕事だというのに、遥さんが山程の酒を買い込む。
そして案の定順調に酔っぱらった。
もうやめましょうと取り上げたビールの缶を遥さんが奪い返しぐっと煽る。
ソファに座る俺の太腿にぐたりと凭れかかった遥さん。
「大丈夫ですか?」
「ゆーじぃ」
「はい」
酔った時の遥さんの無敵の可愛さと色っぽさ。
とろんとした目に捉えられるだけでヤバい。
「なぁ、好きぃ?」
「何がですか」
「俺ぇ。遥さんのこと、好きぃ?」
「もちろんです!」
もそもそと俺の脚を支えにしながら遥さんが膝立ちになり、腕を俺に向かって伸ばす。
「抱っこぉ」
抱っこより押し倒したいんですが。
よいしょとソファに抱え上げ膝に乗せると、あーん、と言いながら遥さんがキスをしてきた。
ペロペロと唇を舐めている。
子犬が親犬に甘えるような、厭らしさは欠片もないのに、いつものように滾る下半身を叱りつけたくなった。
「遥さん、もう寝ましょう」
「やーだー」
ぐりぐりと頭を胸に擦り付ける遥さんの可愛さにもそこが落ち着く気配はない。
「いっつもさぁ、お前が誘うだろぉ?」
「え?あ、セックスですか」
「そう、俺もー、誘いたいのー、慣れた感じでー」
こてんと凭れかかった遥さんが俺の首にちゅ、ちゅ、と小さなキスを繰り返す。
「なぁ?してみたいことないのー」
今、悪魔の囁きが聞こえた気がする。
「お前のだろー?壊すくらいたまにはがっついてみろよー」
遥さんの熱い息が耳にかかる。
どこかがブチンと音を立てて切れた気がした。
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