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※会いたい。

スーツを剥ぐように脱ぎ、ベッドの上に投げる。 全裸になって浴室に駆け込んだ。 狭いユニットバス、頭からシャワーを浴びながら痛いほど勃起したそれを握り扱く。 遥さんの、熱く狭く軋むような、俺だけが知る身体の奥。 腰をぶつけるたびに普段より高い甘えるような声で喘ぐ。 快感から逃げるように拗じられる細い腰を掴んで奥の奥まで抉るようにねじ込むと白い喉を反らせ、身体を震わせて達する。 俺の名前を呼びながら。 尿意に似た排出感に身震いする。 手に受けた大量の液はシャワーでみるみるうちに流されていく。 「はぁ……」 遥さん、会いたくてたまらないです…… セックスなんてしなくていい。 あなたをただ抱き締めて眠りたいです。 触れてしまうとそれだけでは堪えきれないことは分かっていても、それを我慢しても遥さんを抱き締めて、胸の奥まで匂いを吸い込んで包むように抱き締めて眠りたい。 あなたが足りない。 あなたも足りてないですか。 俺が欲しい恋しいと思ってくれてますか。 濡れた髪を雑に拭きながら風呂から出るとベッドの上に放り投げた携帯が通知を知らすライトを光らせていた。 下着だけを履き手に取りタップする。 遥さんだ。 『話せる?』 それだけ書かれたLineの画面。 迷わず遥さんの番号を押していた。 『侑司?』 あぁ……………喘がせたい。 末期症状だなと苦笑しつつ遥さんと呼び返すとうん、と嬉しそうな声が聞こえた。 『藤次郎さんから連絡きた!末には帰ってこれそうなんだろ?』 ついさっきそういう話しをしたっけ。 あくまでも予定だけど。 「一応その目処がついたそうです」 『俺、迎えに行っていい?』 「え、こっちに?」 『早く顔見たい!帰ってくるまで待つだけは嫌だ』 顔見た瞬間に脱がしそうな俺はどうしたらいいんだ。 「公衆の門前で襲わないように気合い入れときます…」 ふはっといつもの笑い声が聞こえた。 「ああ〜〜〜もう、抱き締めたくなるから止めてくださいよ…」 頭を抱える俺の耳に遥さんが戸惑う気配。 『止めない』 「…え?」 『頑張ったお前にご褒美やろうと思ってるから』 「ご褒美……」 そう、ご褒美。 そう呟いた声が照れているのは気のせいじゃないはず。 「楽しみにしてます」 『……うん』 あと半月。 あなたに恥ずかしくない仕事をします。 だから貪っても許してくださいね。

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