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※会いたい。
後ろから遥さんを抱きしめたままするキスを止められない。
伸ばされた白い首を見ながら微かに震えるような唇を舐めてから舌を差し込む。
「んぅ」
鼻から抜けるような甘い声を合図に、抱き締めていただけの手を動かした。
ジャケットのボタンを外し、舌を絡めながら遥さんのネクタイを緩める。
キスに夢中な遥さんは気付いていない。
そのままネクタイを襟から抜き、ワイシャツのボタンを外す。
ヒートテックの薄い生地に手のひらを滑らせるとぷくりと立ち上がった乳首を感じた。
「ゆ、じ、ゆーじ…」
俺を見上げる遥さんの開いた口から唾液が顎へ伝う。
「ちゃんと飲んで、零れてる」
親指で掬うように唇に付けると、遥さんはそのまま親指をしゃぶった。
指の腹を舌がなぞる。
軽く歯を立て上下から挟んだ指の尖端を擽りながら動く舌。
フェラを連想させる舌の動きに一気に完勃ちした。
「……舐めたいんですか」
小さく頷いた遥さんが身体の向きを変え腕を首に絡めまたキスをしてきた。
舌を吸い舐めあいながら遥さんが俺のジャケットをはだけワイシャツのボタンを外していく。
スラックスのベルトも外され、少し濡れた下着が撫でられた。
「すぐ出ますよ」
「ん、だから舐めたい」
俺の真似をするように必死で舌を動かし、顔を顰めて飲み込んでいた始めの頃。
上手く飲めずに、喉の奥まで咥え込めないことに、悔しそうにも見える表情をしていたのに。
いつの間にこんなに美味しそうに厭らしくも咥え舐めるようになったのか。
「遥さん、舐めるの……好き?」
瞬きした睫毛が内腿を擽る。
ずるりと出されたそれの括れに舌を這わせながら伏せた目で遥さんが吐いた息はとても熱かった。
「侑司のを舐めるのは………好き」
言い終わるタイミングで俺を見上げるのは計算か、それとも。
「口に出していいんですか」
何故か解かれないままだったネクタイのノットに指を入れた俺の手を遥さんが止めた。
「ダメ」
「え」
「このまま、して」
竿にキスをしながら遥さんがベルトを外す。
「奥に……欲しい。我慢したから、俺にもご褒美ちょーだい」
「遥さん、ちょっと待って」
立ち上がる遥さん、床に落ちるスラックス。
小さなデスクの引き出しから出てくるいつもの使い慣れたローションボトル。
「ゴムは………持ってきてない」
下着が下ろされ、ジャケットが乱暴に脱ぎ捨てられる。
デスクに手をつきながら遥さんが俺を振り返った。
「侑司」
はだけたワイシャツに結ばれたままのネクタイ、そのネクタイがぐっと引っ張られた。
「焦らしたら………握り潰すからな」
刹那気な声で囁かれた。
遥さん、知ってるでしょう?
人間って、ダメって言われるとしたくなるもんなんですよ。
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