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※誰にも渡さない。
ローションの粘着音がこれほど厭らしいとは。
自宅以外、それも働いていた会社での行為がこんなにも興奮するなんて知らなかった。
自宅でする時、最近では遥さんが自ら準備をしてしまい、そこを愛撫して解して蕩けさせることは出来ていない。
久しぶりの一からの準備が出来ることに加え、このシチュエーションだ。
落ち着けという方が無理だ。
壁に手をついてお尻を突き出した格好の遥さん。
床に寝かせられず顔がじっくり見られないが、それは後でしっかりと見せて貰おう。
「ゆ、じ、もういい…」
「まだ無理です。ローション足らないかもって思ってるんですから」
嘘だ。
遥さんのそこは俺の指を三本飲み込み、奥に欲しいと収縮を繰り返している。
前もちゃんと反応し、床に先走りが垂れる。
身体だけじゃなくて、言葉でも強請らせたい。
「俺、イク、ゴム…」
「あ、二個あったゴム、遥さんがつけるため?」
「よ、ごせないだろ」
床に置いたゴムを見ながら遥さんがもう一度可愛い声でイクと言った直後、埋めていた指を抜いた。
「あっ、バカ」
「ゴムつけるんでしょ?こっち向いてください」
「自分でつける……」
「遥さん」
俺の声にゆっくりとこちらを向く遥さん。
はだけたYシャツから弄り吸いすぎて赤くなった乳首が見える。
窪んだ臍が可愛い。
舌を伸ばし、遥さんを見上げながら臍に向かう俺の肩を、その先の快感を予想した震える手が止めようとする。
「バカ、やだって」
「好きでしょう?」
「今はやだって…」
声に涙が交じる。
侑司、と呼ばれる声。世の中でこれまで生きてきた中で、こんなに甘く愛しそうに囁く声を俺は他に知らない。
「家でなら、いくらでもしていいから、今は…」
「………今は?」
「早く、欲しい…っ」
赤くなった顔を隠すようにした腕を掴まえて立ち上がりそれこそ貪るようにキスをした。
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