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※実践。
重たく冷たい黒い手錠。
かちゃりと遥さんの細い手首に嵌めると背徳感と罪悪感、そしてそれらを上回るぞくぞくするほどの興奮。
手首を傷つけないように先に巻いたタオルを遥さんががじがじと齧る。
「なぁ、これいらないって」
「ダメです。怪我したらどうするんですか」
「それもいいだろ…」
「良くないですって」
「なんつーかさ、ほら……悪いことしました、って感じしない?」
この人はもう………
そうですね、と外してしまう前に遥さんを背中から抱き締めた。
「それより、覚悟できてるんですよね?」
「なんの?」
「俺に好きにされる覚悟です」
「あるよ、ダーリン」
ふり仰ぎながら笑う遥さんの口にチュッとキスをした。
「じゃあ、乳首だけでイキましょうか」
それを聞いた遥さんは、「え」の形のまま口も顔も止まった。
楽しい長い夜になりそうだ。
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