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※実践。
噛み締めた唇からふーっと漏れる荒い息。
それがとてつもなく厭らしく可愛い。
「遥さん、声我慢しないで」
もうすっかり体重を俺の胸に預けるほど感じているのに、手錠のせいで自由にならない両手で股間を隠しながら声を殺す遥さん。
どのくらいこうしているのか。
弄られすぎて赤くなった乳首を今舐めたらどうなるのか。
それを想像するだけで下着の中で先走りがまた溢れ流れたのがわかった。
「ゆーじ、も、乳首とれる…」
「とれませんよ」
爪の先が僅かに乳首に当たってしまうだけで遥さんの腰が、胸に当たる背中が跳ねるのが堪らない。
「ゆーじ…もうやだ」
「ん?」
ぐずっと鼻を啜る音に頬を頬に擦り付けると、甘えるように遥さんの鼻が俺の鼻に当てられる。
「イキたい、触ってー」
「どこを?」
「ばか…」
鼻が齧られ、その後上唇を噛まれ引っ張られる。
「ちんこ……触って」
「本当、おねだり上手ですね」
「ゆーじ、好き、好きぃ…」
つうと頬を流れた涙をぺろりと舐めると、ひたすらにそこを隠していた手がじゃらっと重い音と共に退けられた。
「でも俺乳首可愛がるので手が塞がってるんで、そこは遥さんが触ってください」
遥さんの眉がきゅんと下がる。
ポロリと落ちた涙はまるで空中にばら撒いた金平糖のように、寝室のルームライトを反射させながら遥さんの身体に落ちていく。
「意地悪、バカ…」
「そういうとこも好きでしょう?」
うん、って言って遥さん。
大好きって言って。
「お前のだから…」
「え?」
濡れた頬が触れる。
手錠を嵌めた両手が首と顎を包むように伸びる。
「お前しか知らない、お前のなんだから、おねだりした時は………きけよ、バカ……」
首に噛み付かれ、ぐちりと肉に歯が食い込む音がする。
遥さんの思わぬ反撃に顔が歪む。
「この先何度だって言うけど、俺がこんなになるのはお前にだけなんだよ、バカ…」
涙と鼻水がたらりと流れるのを見たら痛みに結んだ唇が解けた。
「前でイキたいですか?それとも」
「お前でイキたいに決まってんだろ、早く…」
がしゃんと音を立て、遥さんの手が首の後ろに回された。
そのまま手錠の鎖に引っ張られ寝転んだ遥さんの上に倒れ込む。
曲げた足、太腿を引っ掻かれるようにしながら指先で下着が下げられる。
強く引き寄せられたまま耳朶を舐められたと思ったら、甘い甘い鼻声で囁かれた。
「早く………挿れて」
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