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※実践。
勢いのまま突っ込む訳にはいかない。
深く深く息を吸い、吐いた。
吐ききり、至近距離のままの遥さんを見下ろすと、潤んだ目で俺を見つめていた。
「ゆーじ、つらい?」
「え?」
「つらそうな顔してる…俺のせい?」
辛いか辛くないかと聞かれたら、そりゃ辛い。
もうとっくに限界を超え痛いほど勃起したソレが。
でもまだ入れる前ならどうにでもなる。
俺より遥さんだ。
この人が綺麗な顔を、よそ行きの顔を崩して俺で感じるのを見るのが何より好きだ。
「辛いより幸せです」
「ぅえ?」
「こんなの、本当は遥さん別に要らないでしょ?」
首の後ろに当たる冷たい鎖。
遥さんの手首を持って首から外す。
傷がついてないか、タオルを少しずらして確認する俺の腰に遥さんの脚が絡められた。
「侑司…」
「はい?」
「俺、俺も変態でいーよ」
「はい!?」
「猫耳や尻尾も、映画館のトイレですんのも、あと何だっけ」
「は、遥さん?」
「お前となら何だっていい、したい…」
心臓がどくんと大きく脈打つ。
金属音を立てながら遥さんの手が俺の身体に触れながら降りてくるのをゆっくり目で追った。
いきり立つ俺の性器を撫でた指が握り、遥さんの蕾に当てられる。
「なぁ、お前も気持ち良くなってよ、俺で」
「ちょ、ちょっと待って、遥さん」
ヤバイ。
今入れたら瞬殺される。
「なんで?」
「なんでって、あの」
言い淀む俺を悪い意味に捉えたのか、遥さんの顔が歪んで目の端から涙が流れる。
慌ててその涙を指で拭いつつ、頬にキスをした。
「煽られすぎてすぐイキそうなんです」
「ダメなの?」
「え」
「俺もすぐ、なんだけど、ダメ?」
酔ってる。
酔ってた。
そうだった、手錠という夢のアイテムの登場で今の今まで忘れてたけど、酒の入った遥さんはこうだった。
「……挿れます」
もう瞬殺だろうが早漏と思われようが構わない。
止めてと言われてももう止めない。
当てられていた尖端を遥さんの導くような手になぞらせながら埋めた。
「あ、んんっ、あっ」
ずぶずぶと飲み込まれるように埋まっていく。
根本まであと少しのところまできた時、遥さんが一際高く喘ぎ震えながら達した。
ビクビクと痙攣するような身体の上に精液が飛び散って濡らしていくのを息を止めて見つめた。
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