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第6話
「深見くん、朝に言ったこと、ホント?」
葵は昼休み、深見に話しかけていた。
「本当だ」
「どっちが勝ったの?」
「俺に決まってるだろ」
じゃあ、と葵は声をひそめた。
「成敗してほしい奴らがいるんだけど」
「成敗?」
ここでは何だから、と葵は深見を放送室に押し込んだ。
完全防音。内側から鍵をかけてしまえば、誰も入ることはできない。
「実は僕、いじめにあってて」
「そうか」
「今度、売春させられるんだ」
「うん」
「ひとり1回5千円。もう耐えられない」
「安いな」
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