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第23話
放課後、葵は綜大のアパートへ行ってみた。
チャイムを押しても、誰も出ない。
ドアを叩いて、呼んでみた。
「綜大、いる? 葵だけど」
とたんに、ばたばたと物音が近づいて来た。
勢いよくドアが開き、部屋着の綜大が顔を出した。
「葵!」
「何だ。元気そうじゃないか」
「今、元気になった」
まあ、上がれと背中を押され、葵は一瞬だけためらった。
敷居を跨げば、また犯される。
何で、ここに来ちゃったんだろう。
「どうした?」
「あ、いや。お邪魔します」
覚悟を決めて、葵は綜大の部屋に上がった。
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