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第24話
「コーヒーがいいか、紅茶がいいか?」
「コーヒーがいいと思うよ。チョコレート持ってきたから」
「ホントか!?」
「バレンタインのチョコレート。欲しかったんだろ?」
ドリップコーヒーが落ちる間、綜大はチョコの包みを見ては喜び、中身が手作りだと聞いては喜んだ。
入ったコーヒーに口もつけずに、綜大は包みを丁寧に開けて中のトリュフを一つつまんだ。
「葵の……、手作りチョコ!」
「喜んでいただけたようで嬉しゅうございます。ご主人様」
照れくさかった葵は、茶化してそんなことを言ったが、綜大は急に顔つきを引き締めた。
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